From b9743239cf3fb67d6d7d7abe1fcde29e87a3569b Mon Sep 17 00:00:00 2001 From: "github-actions[bot]" Date: Wed, 23 Jul 2025 01:48:39 +0000 Subject: [PATCH] Update all translated document pages --- docs/ja/agents.md | 42 +++++----- docs/ja/config.md | 24 +++--- docs/ja/context.md | 44 +++++------ docs/ja/examples.md | 56 +++++++------ docs/ja/guardrails.md | 46 +++++------ docs/ja/handoffs.md | 40 +++++----- docs/ja/index.md | 38 ++++----- docs/ja/mcp.md | 68 ++++++++-------- docs/ja/models/index.md | 86 ++++++++++---------- docs/ja/models/litellm.md | 22 +++--- docs/ja/multi_agent.md | 44 +++++------ docs/ja/quickstart.md | 32 ++++---- docs/ja/realtime/guide.md | 77 +++++++++--------- docs/ja/realtime/quickstart.md | 54 ++++++------- docs/ja/release.md | 20 ++--- docs/ja/repl.md | 4 +- docs/ja/results.md | 45 ++++++----- docs/ja/running_agents.md | 85 ++++++++++---------- docs/ja/sessions.md | 30 +++---- docs/ja/streaming.md | 16 ++-- docs/ja/tools.md | 94 +++++++++++----------- docs/ja/tracing.md | 138 +++++++++++++++++---------------- docs/ja/visualization.md | 35 ++++----- docs/ja/voice/pipeline.md | 38 +++++---- docs/ja/voice/quickstart.md | 22 +++--- docs/ja/voice/tracing.md | 16 ++-- 26 files changed, 609 insertions(+), 607 deletions(-) diff --git a/docs/ja/agents.md b/docs/ja/agents.md index 4a6bc16ec..e461d54f1 100644 --- a/docs/ja/agents.md +++ b/docs/ja/agents.md @@ -4,16 +4,16 @@ search: --- # エージェント -エージェントはアプリの中心的な構成要素です。エージェントは、instructions と tools で設定された大規模言語モデル ( LLM ) です。 +エージェントはアプリケーションの主要な構成要素です。エージェントとは、instructions と tools で構成された大規模言語モデル (LLM) です。 ## 基本設定 エージェントでよく設定するプロパティは次のとおりです。 -- `name`: エージェントを識別する必須の文字列です。 -- `instructions`: developer message(開発者メッセージ)または システムプロンプト とも呼ばれます。 -- `model`: 使用する LLM を指定します。また、temperature や top_p などのモデル調整パラメーターを設定する `model_settings` を任意で指定できます。 -- `tools`: エージェントがタスクを達成するために使用できる tools です。 +- `name`: エージェントを識別する必須の文字列です。 +- `instructions`: developer メッセージまたは system prompt とも呼ばれます。 +- `model`: 使用する LLM を指定します。任意の `model_settings` で temperature、top_p などのモデル調整パラメーターを設定できます。 +- `tools`: エージェントがタスクを達成するために使用できる tools です。 ```python from agents import Agent, ModelSettings, function_tool @@ -32,7 +32,7 @@ agent = Agent( ## コンテキスト -エージェントは汎用的な `context` 型を取ります。コンテキストは依存性注入用のツールで、あなたが作成して `Runner.run()` に渡すオブジェクトです。これはすべてのエージェント、tool、handoff などに渡され、実行時に必要な依存関係や状態を格納する入れ物として機能します。コンテキストには任意の Python オブジェクトを渡せます。 +エージェントは汎用的に `context` 型を取り込みます。コンテキストは dependency-injection (依存性注入) 用のオブジェクトで、あなたが作成して `Runner.run()` に渡すことで、すべてのエージェント、tool、ハンドオフなどに共有されます。実行中の依存関係や状態をまとめて保持する入れ物として機能し、任意の Python オブジェクトを渡せます。 ```python @dataclass @@ -50,7 +50,7 @@ agent = Agent[UserContext]( ## 出力タイプ -デフォルトでは、エージェントはプレーンテキスト、つまり `str` を出力します。特定の型で出力させたい場合は、`output_type` パラメーターを使用します。一般的には [Pydantic](https://docs.pydantic.dev/) オブジェクトを使うことが多いですが、Pydantic の [TypeAdapter](https://docs.pydantic.dev/latest/api/type_adapter/) でラップできる型であれば何でもサポートされています。たとえば dataclass、list、TypedDict などです。 +デフォルトでは、エージェントはプレーンテキスト (つまり `str`) を出力します。特定の型で出力させたい場合は、`output_type` パラメーターを使用してください。よく使われる選択肢として [Pydantic](https://docs.pydantic.dev/) オブジェクトがありますが、Pydantic の [TypeAdapter](https://docs.pydantic.dev/latest/api/type_adapter/) でラップできる型であれば、dataclass、list、TypedDict など何でも対応しています。 ```python from pydantic import BaseModel @@ -71,11 +71,11 @@ agent = Agent( !!! note - `output_type` を渡すと、モデルは通常のプレーンテキスト応答ではなく structured outputs を使用するよう指示されます。 + `output_type` を渡すと、モデルは通常のプレーンテキスト応答ではなく、[structured outputs](https://platform.openai.com/docs/guides/structured-outputs) を使用するようになります。 ## ハンドオフ -ハンドオフは、エージェントが委譲できるサブエージェントです。ハンドオフのリストを渡すと、エージェントは関連性がある場合にそれらへ委譲できます。これは、単一タスクに特化したモジュール型エージェントを編成する強力なパターンです。詳細は [ハンドオフ](handoffs.md) のドキュメントをご覧ください。 +ハンドオフは、エージェントが委任できるサブエージェントです。ハンドオフのリストを渡すと、エージェントは必要に応じてそれらに委任できます。これは、単一タスクに特化したモジュール化されたエージェントをオーケストレーションする強力なパターンです。詳しくは [ハンドオフ](handoffs.md) のドキュメントをご覧ください。 ```python from agents import Agent @@ -96,7 +96,7 @@ triage_agent = Agent( ## 動的 instructions -通常はエージェント作成時に instructions を渡しますが、関数を通じて動的に instructions を提供することもできます。この関数はエージェントとコンテキストを受け取り、プロンプトを返す必要があります。同期関数でも `async` 関数でも利用可能です。 +多くの場合、エージェント作成時に instructions を渡せますが、関数を介して動的に instructions を生成することも可能です。その関数は agent と context を受け取り、プロンプトを返さなければなりません。同期関数と `async` 関数のどちらも利用できます。 ```python def dynamic_instructions( @@ -113,15 +113,15 @@ agent = Agent[UserContext]( ## ライフサイクルイベント (hooks) -エージェントのライフサイクルを監視したい場合があります。たとえば、イベントをログに記録したり、特定のイベント発生時にデータを事前取得したりするケースです。`hooks` プロパティを使うことでエージェントのライフサイクルにフックを追加できます。[`AgentHooks`][agents.lifecycle.AgentHooks] クラスを継承し、必要なメソッドをオーバーライドしてください。 +エージェントのライフサイクルを監視したい場合があります。たとえば、イベントをログに記録したり、特定のイベント発生時にデータを事前取得したりできます。`hooks` プロパティを使ってエージェントのライフサイクルにフックできます。[`AgentHooks`][agents.lifecycle.AgentHooks] クラスを継承し、関心のあるメソッドをオーバーライドしてください。 ## ガードレール -ガードレールを使うと、エージェントの実行と並行してユーザー入力に対するチェック/バリデーションを実行できます。たとえば、ユーザー入力の関連性をフィルタリングすることが可能です。詳細は [guardrails](guardrails.md) のドキュメントをご参照ください。 +ガードレールを利用すると、エージェントの実行と並行してユーザー入力のチェックやバリデーションを行えます。たとえば、ユーザー入力の関連性をスクリーニングできます。詳細は [ガードレール](guardrails.md) のドキュメントをご覧ください。 -## エージェントのクローンとコピー +## エージェントのクローン/コピー -エージェントの `clone()` メソッドを使用すると、エージェントを複製し、必要に応じて任意のプロパティを変更できます。 +エージェントの `clone()` メソッドを使うと、既存のエージェントを複製し、必要に応じて任意のプロパティを変更できます。 ```python pirate_agent = Agent( @@ -138,15 +138,15 @@ robot_agent = pirate_agent.clone( ## ツール使用の強制 -tools のリストを渡しても、LLM が必ずツールを使用するわけではありません。`ModelSettings.tool_choice` を設定することでツール使用を強制できます。設定可能な値は次のとおりです。 +tools のリストを渡しても、LLM が必ずしもツールを使用するとは限りません。[`ModelSettings.tool_choice`][agents.model_settings.ModelSettings.tool_choice] を設定することで、ツール使用を強制できます。有効な値は次のとおりです。 -1. `auto` : LLM がツールを使用するかどうかを判断します。 -2. `required` : LLM にツールの使用を必須とします (どのツールを使うかは LLM が判断)。 -3. `none` : LLM にツールを使用しないことを要求します。 -4. 特定の文字列 (例: `my_tool`) を設定すると、そのツールの使用を必須とします。 +1. `auto`:LLM がツールを使うかどうかを判断します。 +2. `required`:LLM にツール使用を必須とします (ただしどのツールを使うかは賢く選択します)。 +3. `none`:LLM にツールを使用しないことを必須とします。 +4. 具体的な文字列 (例: `my_tool`) を設定すると、LLM はそのツールを必ず使用します。 !!! note - 無限ループを防ぐため、フレームワークはツール呼び出し後に `tool_choice` を自動的に "auto" にリセットします。この挙動は [`agent.reset_tool_choice`][agents.agent.Agent.reset_tool_choice] で設定できます。無限ループが発生するのは、ツールの結果が LLM へ送られ、`tool_choice` により再びツール呼び出しが生成されるというサイクルが続くためです。 + 無限ループを防ぐため、フレームワークはツール呼び出し後に自動で `tool_choice` を "auto" にリセットします。この挙動は [`agent.reset_tool_choice`][agents.agent.Agent.reset_tool_choice] で設定可能です。ツールの実行結果が再び LLM に送られ、`tool_choice` の設定により新たなツール呼び出しが発生し続けるのが無限ループの原因です。 - ツール呼び出し後に自動モードへ移行せず完全に処理を終了したい場合は、[`Agent.tool_use_behavior="stop_on_first_tool"`] を設定してください。これにより、ツールの出力をそのまま最終応答として使用し、追加の LLM 処理を行いません。 \ No newline at end of file + ツール呼び出し後に自動モードで継続せず完全に停止したい場合は、[`Agent.tool_use_behavior="stop_on_first_tool"`] を設定してください。ツールの出力をそのまま最終応答として使用し、追加の LLM 処理を行いません。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/config.md b/docs/ja/config.md index 193045490..ca7dea2ca 100644 --- a/docs/ja/config.md +++ b/docs/ja/config.md @@ -6,7 +6,7 @@ search: ## API キーとクライアント -デフォルトでは、 SDK はインポートされるとすぐに LLM リクエストとトレーシング用に `OPENAI_API_KEY` 環境変数を探します。アプリ起動前にその環境変数を設定できない場合は、 [set_default_openai_key()][agents.set_default_openai_key] 関数を使用してキーを設定できます。 +デフォルトでは、 SDK は import された時点で、 LLM リクエストとトレーシング用に `OPENAI_API_KEY` 環境変数を探します。アプリを起動する前にその環境変数を設定できない場合は、[`set_default_openai_key()`][agents.set_default_openai_key] 関数を使ってキーを設定できます。 ```python from agents import set_default_openai_key @@ -14,7 +14,7 @@ from agents import set_default_openai_key set_default_openai_key("sk-...") ``` -また、使用する OpenAIクライアントを設定することもできます。デフォルトでは、 SDK は環境変数または上記で設定したデフォルトキーを用いて `AsyncOpenAI` インスタンスを作成します。これを変更したい場合は、 [set_default_openai_client()][agents.set_default_openai_client] 関数を使用してください。 +別の方法として、使用する OpenAI クライアントを設定することもできます。デフォルトでは、 SDK は環境変数または上記で設定したデフォルトキーを用いて `AsyncOpenAI` インスタンスを生成します。これを変更したい場合は、[`set_default_openai_client()`][agents.set_default_openai_client] 関数を使用してください。 ```python from openai import AsyncOpenAI @@ -24,7 +24,7 @@ custom_client = AsyncOpenAI(base_url="...", api_key="...") set_default_openai_client(custom_client) ``` -さらに、使用する OpenAI API をカスタマイズすることもできます。デフォルトでは OpenAI Responses API を使用しますが、 [set_default_openai_api()][agents.set_default_openai_api] 関数を使用して Chat Completions API に切り替えることができます。 +最後に、使用する OpenAI API をカスタマイズすることも可能です。デフォルトでは、 OpenAI Responses API を使用します。これを Chat Completions API に変更したい場合は、[`set_default_openai_api()`][agents.set_default_openai_api] 関数をご利用ください。 ```python from agents import set_default_openai_api @@ -34,7 +34,7 @@ set_default_openai_api("chat_completions") ## トレーシング -トレーシングはデフォルトで有効になっています。上記セクションの OpenAI API キー (環境変数または設定済みのデフォルトキー) が自動的に使用されます。トレーシング専用の API キーを設定したい場合は、 [`set_tracing_export_api_key`][agents.set_tracing_export_api_key] 関数を使用してください。 +トレーシングはデフォルトで有効になっています。デフォルトでは、上記のセクションで設定した OpenAI API キー(環境変数またはデフォルトキー)を使用します。トレーシングで使用する API キーを個別に設定したい場合は、[`set_tracing_export_api_key`][agents.set_tracing_export_api_key] 関数を使用できます。 ```python from agents import set_tracing_export_api_key @@ -42,7 +42,7 @@ from agents import set_tracing_export_api_key set_tracing_export_api_key("sk-...") ``` -トレーシングを完全に無効化したい場合は、 [`set_tracing_disabled()`][agents.set_tracing_disabled] 関数を使用できます。 +さらに、[`set_tracing_disabled()`][agents.set_tracing_disabled] 関数を使うことで、トレーシングを完全に無効化できます。 ```python from agents import set_tracing_disabled @@ -52,9 +52,9 @@ set_tracing_disabled(True) ## デバッグログ -SDK にはハンドラーが設定されていない 2 つの Python ロガーが用意されています。デフォルトでは、 warning と error は `stdout` に出力されますが、それ以外のログは抑制されます。 + SDK には、ハンドラーが設定されていない Python ロガーが 2 つあります。デフォルトでは、警告とエラーのみが `stdout` に出力され、それ以外のログは抑制されます。 -詳細なログを有効にするには、 [`enable_verbose_stdout_logging()`][agents.enable_verbose_stdout_logging] 関数を使用してください。 +詳細なログを有効にするには、[`enable_verbose_stdout_logging()`][agents.enable_verbose_stdout_logging] 関数を使用してください。 ```python from agents import enable_verbose_stdout_logging @@ -62,7 +62,7 @@ from agents import enable_verbose_stdout_logging enable_verbose_stdout_logging() ``` -また、ハンドラー、フィルター、フォーマッターなどを追加してログをカスタマイズすることも可能です。詳しくは [Python logging guide](https://docs.python.org/3/howto/logging.html) をご覧ください。 +ハンドラー、フィルター、フォーマッターなどを追加してログをカスタマイズすることもできます。詳細は [Python logging guide](https://docs.python.org/3/howto/logging.html) をご覧ください。 ```python import logging @@ -81,17 +81,17 @@ logger.setLevel(logging.WARNING) logger.addHandler(logging.StreamHandler()) ``` -### ログに含まれる機密データ +### ログに含まれる機微なデータ -ログの中には機密データ (例: ユーザーデータ) を含むものがあります。これらのデータを記録しないようにする場合は、次の環境変数を設定してください。 +一部のログには機微なデータ(例: ユーザー データ)が含まれる場合があります。これらのデータの記録を無効化したい場合は、以下の環境変数を設定してください。 -LLM の入力および出力のロギングを無効化する: +LLM の入力および出力のロギングを無効にするには: ```bash export OPENAI_AGENTS_DONT_LOG_MODEL_DATA=1 ``` -ツールの入力および出力のロギングを無効化する: +ツールの入力および出力のロギングを無効にするには: ```bash export OPENAI_AGENTS_DONT_LOG_TOOL_DATA=1 diff --git a/docs/ja/context.md b/docs/ja/context.md index 77eae1e81..eb1410d93 100644 --- a/docs/ja/context.md +++ b/docs/ja/context.md @@ -4,30 +4,30 @@ search: --- # コンテキスト管理 -コンテキストという用語は多義的です。ここでは主に 2 つのコンテキスト クラスがあります。 +コンテキスト (context) という言葉には複数の意味があります。主に次の 2 つのコンテキストを扱います。 -1. コード内でローカルに利用できるコンテキスト: これはツール関数の実行時や `on_handoff` などのコールバック、ライフサイクル フック内で必要となるデータや依存関係です。 -2. LLM が利用できるコンテキスト: これは LLM が応答を生成する際に参照できるデータです。 +1. コード側でローカルに利用できるコンテキスト: これはツール関数実行時や `on_handoff` のようなコールバック、ライフサイクルフックなどで必要になるデータや依存関係です。 +2. LLM が利用できるコンテキスト: これはレスポンス生成時に LLM が参照できるデータです。 -## ローカル コンテキスト +## ローカルコンテキスト -ローカル コンテキストは [`RunContextWrapper`][agents.run_context.RunContextWrapper] クラスと、その中の [`context`][agents.run_context.RunContextWrapper.context] プロパティで表現されます。基本的な流れは次のとおりです。 +ローカルコンテキストは [`RunContextWrapper`][agents.run_context.RunContextWrapper] クラスと、その中の [`context`][agents.run_context.RunContextWrapper.context] プロパティで表現されます。動作の流れは次のとおりです。 -1. 任意の Python オブジェクトを作成します。一般的には dataclass や Pydantic オブジェクトを利用するパターンが多いです。 -2. そのオブジェクトを各種 `run` メソッド(例: `Runner.run(..., **context=whatever**)`)に渡します。 -3. すべてのツール呼び出しやライフサイクル フックなどには、`RunContextWrapper[T]` というラッパー オブジェクトが渡されます。ここで `T` はコンテキスト オブジェクトの型で、`wrapper.context` からアクセスできます。 +1. 任意の Python オブジェクトを作成します。一般的には dataclass や Pydantic オブジェクトを使うことが多いです。 +2. そのオブジェクトを各種 run メソッド(例: `Runner.run(..., **context=whatever** )`)に渡します。 +3. すべてのツール呼び出しやライフサイクルフックなどには `RunContextWrapper[T]` というラッパーオブジェクトが渡されます。ここで `T` はコンテキストオブジェクトの型で、`wrapper.context` からアクセスできます。 -**最も重要な点**: ひとつのエージェント実行において、エージェント・ツール関数・ライフサイクル フックなどはすべて同じ _型_ のコンテキストを使用しなければなりません。 +**最も重要なポイント** : 1 つのエージェント実行につき、エージェント、ツール関数、ライフサイクルフックなどはすべて同じ _型_ のコンテキストを使用する必要があります。 -コンテキストは次のような用途に利用できます。 +コンテキストの主な用途は次のとおりです。 -- 実行に関するコンテキスト データ(例: ユーザー名 / UID などのユーザー情報) -- 依存関係(例: ロガー オブジェクト、データフェッチャーなど) -- ヘルパー関数 +- 実行に関するデータ (例: ユーザー名 / uid などの ユーザー 情報) +- 依存関係 (例: ロガーオブジェクト、データフェッチャーなど) +- ヘルパー関数 !!! danger "Note" - コンテキスト オブジェクトは **LLM に送信されません**。あくまでローカル オブジェクトであり、読み書きやメソッド呼び出しが可能です。 + コンテキストオブジェクトは **LLM に送信されません**。あくまでローカルで読み書きやメソッド呼び出しを行うためのオブジェクトです。 ```python import asyncio @@ -66,17 +66,17 @@ if __name__ == "__main__": asyncio.run(main()) ``` -1. これはコンテキスト オブジェクトです。ここでは dataclass を使用していますが、任意の型を利用できます。 -2. これはツールです。`RunContextWrapper[UserInfo]` を受け取ることが分かります。ツール実装はコンテキストからデータを読み取ります。 -3. エージェントにジェネリック型 `UserInfo` を指定し、型チェッカーがエラーを検出できるようにしています(例: 異なるコンテキスト型を取るツールを渡そうとした場合など)。 +1. これがコンテキストオブジェクトです。ここでは dataclass を使っていますが、任意の型で構いません。 +2. これはツールです。`RunContextWrapper[UserInfo]` を受け取り、実装内でコンテキストを参照しています。 +3. エージェントにジェネリック型 `UserInfo` を指定することで、型チェッカーがエラーを検出できます(異なるコンテキスト型のツールを渡そうとした場合など)。 4. `run` 関数にコンテキストを渡します。 5. エージェントはツールを正しく呼び出し、年齢を取得します。 ## エージェント / LLM コンテキスト -LLM が呼び出されるとき、LLM が参照できるデータは会話履歴からのみ取得されます。そのため、新しいデータを LLM に渡したい場合は、履歴に含める形で提供する必要があります。主な方法は以下のとおりです。 +LLM が呼び出される際、LLM が参照できるデータは会話履歴のみです。そのため、新しいデータを LLM に渡したい場合は、会話履歴に含める形で提供する必要があります。主な方法は次のとおりです。 -1. エージェントの `instructions` に追加する。これは「system prompt」や「developer message」とも呼ばれます。システム プロンプトは静的な文字列でも、コンテキストを受け取って文字列を返す動的関数でも構いません。ユーザー名や現在の日付など、常に有用な情報を渡す際によく使われます。 -2. `Runner.run` を呼び出す際の `input` に追加する。この方法は `instructions` と似ていますが、[chain of command](https://cdn.openai.com/spec/model-spec-2024-05-08.html#follow-the-chain-of-command) 上で下位に位置するメッセージを扱える点が異なります。 -3. 関数ツール経由で公開する。これはオンデマンドのコンテキストに適しており、LLM が必要になったタイミングでツールを呼び出してデータを取得できます。 -4. リトリーバルまたは Web 検索を使用する。これらはファイルやデータベース(リトリーバル)、あるいは Web(Web 検索)から関連データを取得できる特殊なツールです。回答を関連するコンテキスト データに「グラウンディング」するのに役立ちます。 \ No newline at end of file +1. Agent の `instructions` に追加する。これは「システムプロンプト」や「デベロッパーメッセージ」とも呼ばれます。システムプロンプトは静的な文字列でも、コンテキストを受け取って文字列を返す動的関数でも構いません。ユーザー名や現在の日付など、常に有用な情報を渡す場合によく使われます。 +2. `Runner.run` を呼び出す際の `input` に追加する。`instructions` と似ていますが、[chain of command](https://cdn.openai.com/spec/model-spec-2024-05-08.html#follow-the-chain-of-command) 上でより下位のメッセージとして渡せます。 +3. function tools を通じて公開する。オンデマンドでコンテキストを取得させたい場合に便利で、LLM が必要に応じてツールを呼び出してデータを取得します。 +4. retrieval や web search を使用する。retrieval はファイルやデータベースから関連データを取得し、web search は Web から取得します。これにより、回答を関連コンテキストで「グラウンディング」できます。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/examples.md b/docs/ja/examples.md index 177729613..b00ce3f9a 100644 --- a/docs/ja/examples.md +++ b/docs/ja/examples.md @@ -4,45 +4,41 @@ search: --- # コード例 -[リポジトリ](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples) の examples セクションには、 SDK のさまざまなサンプル実装が用意されています。これらのコード例は、異なるパターンや機能を示す複数のカテゴリーに整理されています。 - +[リポジトリ](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples) の examples セクションには、SDK のさまざまな実装例が掲載されています。これらの例は、異なるパターンや機能を示す複数のカテゴリーに整理されています。 ## カテゴリー -- **[agent_patterns](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/agent_patterns):** - このカテゴリーのコード例では、一般的なエージェント設計パターンを紹介しています。例: - - - 決定的ワークフロー - - エージェントをツールとして利用 - - エージェントの並列実行 +- **[エージェントパターン](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/agent_patterns):** + このカテゴリーでは、以下のような一般的なエージェント設計パターンを紹介します。 + - 決定論的ワークフロー + - エージェントをツールとして利用 + - 複数エージェントの並列実行 -- **[basic](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/basic):** - ここでは、以下のような SDK の基礎的な機能を紹介しています。例: +- **[基本](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/basic):** + ここでは、SDK の基礎となる機能を確認できます。 + - 動的な system prompt + - ストリーミング出力 + - ライフサイクルイベント - - 動的なシステムプロンプト - - ストリーミング出力 - - ライフサイクルイベント +- **[ツール例](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/tools):** + Web 検索やファイル検索などの OpenAI がホストするツールを実装し、エージェントに統合する方法を学べます。 -- **[tool examples](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/tools):** - Web 検索やファイル検索など、 OpenAI がホストするツールの実装方法と、それらをエージェントに統合する方法を学べます。 +- **[モデルプロバイダー](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/model_providers):** + OpenAI 以外のモデルを SDK と併用する方法を学べます。 -- **[model providers](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/model_providers):** - OpenAI 以外のモデルを SDK と併用する方法を探求できます。 +- **[ハンドオフ](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/handoffs):** + エージェントのハンドオフを実践的に示す例です。 -- **[handoffs](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/handoffs):** - エージェントのハンドオフに関する実践的なコード例です。 - -- **[mcp](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/mcp):** - MCP を用いたエージェントの構築方法を学べます。 +- **[MCP](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/mcp):** + MCP でエージェントを構築する方法を学べます。 - **[customer_service](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/customer_service)** と **[research_bot](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/research_bot):** - 実際のユースケースを想定した、より充実した 2 つのコード例 - - - **customer_service**: 航空会社向けのカスタマーサービスシステム例 - - **research_bot**: シンプルなディープリサーチ クローン + 実世界での利用を想定した、より実践的な 2 つの例です。 + - **customer_service**: 航空会社向けカスタマーサービスシステムの例。 + - **research_bot**: シンプルな deep research クローン。 -- **[voice](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/voice):** - TTS と STT モデルを利用した音声エージェントのコード例です。 +- **[音声](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/voice):** + TTS や STT モデルを使用した音声エージェントの例を確認できます。 -- **[realtime](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/realtime):** - SDK を用いてリアルタイム体験を構築する方法を示すコード例です。 \ No newline at end of file +- **[リアルタイム](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/realtime):** + SDK を用いてリアルタイム体験を構築する方法を示す例です。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/guardrails.md b/docs/ja/guardrails.md index 4b20832c1..568c6c50c 100644 --- a/docs/ja/guardrails.md +++ b/docs/ja/guardrails.md @@ -4,44 +4,44 @@ search: --- # ガードレール -ガードレール は エージェント と _並行して_ 実行され、ユーザー 入力のチェックおよびバリデーションを行えます。たとえば、とても賢い(つまり遅く / 高価な)モデルを使ってカスタマーリクエストを処理する エージェント があるとします。悪意のあるユーザーがモデルに数学の宿題を手伝わせようとするのは避けたいでしょう。そこで、速く / 安価なモデルでガードレールを実行できます。ガードレールが悪意のある利用を検出した場合、直ちにエラーを送出し、高価なモデルの実行を停止して時間とコストを節約します。 +ガードレールはエージェントと _並行して_ 実行され、ユーザー入力のチェックとバリデーションを行えます。たとえば、非常に高性能(その分、低速かつ高コスト)のモデルを用いて顧客の問い合わせを処理するエージェントがあるとします。悪意のあるユーザーに、そのモデルを使って数学の宿題を解かせたくはありません。そこで、低コストかつ高速なモデルでガードレールを実行します。ガードレールが不正利用を検知した場合、ただちにエラーを発生させ、高価なモデルの実行を止めて時間とコストを節約できます。 ガードレールには 2 種類あります: -1. 入力ガードレール は最初のユーザー入力で実行されます -2. 出力ガードレール は最終的なエージェントの出力で実行されます +1. Input ガードレールは最初のユーザー入力に対して実行されます +2. Output ガードレールは最終的なエージェント出力に対して実行されます -## 入力ガードレール +## Input ガードレール -入力ガードレールは 3 ステップで実行されます: +Input ガードレールは 3 段階で実行されます: 1. まず、ガードレールはエージェントに渡されたものと同じ入力を受け取ります。 -2. 次に、ガードレール関数が実行され、[`GuardrailFunctionOutput`][agents.guardrail.GuardrailFunctionOutput] を生成し、それを [`InputGuardrailResult`][agents.guardrail.InputGuardrailResult] でラップします。 -3. 最後に [`.tripwire_triggered`][agents.guardrail.GuardrailFunctionOutput.tripwire_triggered] が true かどうかを確認します。true の場合、[`InputGuardrailTripwireTriggered`][agents.exceptions.InputGuardrailTripwireTriggered] 例外が送出され、ユーザーへの適切な応答や例外処理を行えます。 +2. 次に、ガードレール関数が実行され、[`GuardrailFunctionOutput`][agents.guardrail.GuardrailFunctionOutput] を生成します。その結果は [`InputGuardrailResult`][agents.guardrail.InputGuardrailResult] でラップされます。 +3. 最後に [`.tripwire_triggered`][agents.guardrail.GuardrailFunctionOutput.tripwire_triggered] が `true` かどうかを確認します。`true` の場合は [`InputGuardrailTripwireTriggered`][agents.exceptions.InputGuardrailTripwireTriggered] 例外が送出されるため、ユーザーへ適切に応答するか、例外を処理できます。 !!! Note - 入力ガードレールはユーザー入力に対して実行されることを想定しているため、エージェントが *最初の* エージェントの場合にのみ実行されます。「guardrails」プロパティをエージェントに持たせるのではなく `Runner.run` に渡す形にしない理由は?ガードレールは実際のエージェントと密接に関連していることが多く、エージェントごとに異なるガードレールを実行するため、コードを同じ場所に置く方が可読性に優れるからです。 + Input ガードレールはユーザー入力に対して実行されることを想定しています。そのためガードレールはエージェントが *最初の* エージェントである場合にのみ実行されます。「`guardrails` プロパティがエージェントにあるのはなぜで、`Runner.run` に渡さないのか?」と思うかもしれません。ガードレールは実際のエージェントと強く関連する傾向があるため、エージェントごとに異なるガードレールを設定します。コードを同じ場所に置くことで可読性が向上します。 -## 出力ガードレール +## Output ガードレール -出力ガードレールは 3 ステップで実行されます: +Output ガードレールは 3 段階で実行されます: 1. まず、ガードレールはエージェントが生成した出力を受け取ります。 -2. 次に、ガードレール関数が実行され、[`GuardrailFunctionOutput`][agents.guardrail.GuardrailFunctionOutput] を生成し、それを [`OutputGuardrailResult`][agents.guardrail.OutputGuardrailResult] でラップします。 -3. 最後に [`.tripwire_triggered`][agents.guardrail.GuardrailFunctionOutput.tripwire_triggered] が true かどうかを確認します。true の場合、[`OutputGuardrailTripwireTriggered`][agents.exceptions.OutputGuardrailTripwireTriggered] 例外が送出され、ユーザーへの適切な応答や例外処理を行えます。 +2. 次に、ガードレール関数が実行され、[`GuardrailFunctionOutput`][agents.guardrail.GuardrailFunctionOutput] を生成します。その結果は [`OutputGuardrailResult`][agents.guardrail.OutputGuardrailResult] でラップされます。 +3. 最後に [`.tripwire_triggered`][agents.guardrail.GuardrailFunctionOutput.tripwire_triggered] が `true` かどうかを確認します。`true` の場合は [`OutputGuardrailTripwireTriggered`][agents.exceptions.OutputGuardrailTripwireTriggered] 例外が送出されるため、ユーザーへ適切に応答するか、例外を処理できます。 !!! Note - 出力ガードレールは最終的なエージェント出力に対して実行されることを想定しているため、エージェントが *最後の* エージェントの場合にのみ実行されます。入力ガードレールと同様に、ガードレールは実際のエージェントと密接に関連しているため、コードを同じ場所に置く方が可読性に優れます。 + Output ガードレールは最終的なエージェント出力に対して実行されることを想定しています。そのためガードレールはエージェントが *最後の* エージェントである場合にのみ実行されます。Input ガードレールと同様に、ガードレールは実際のエージェントと強く関連するため、コードを同じ場所に置くことで可読性が向上します。 -## トリップワイヤ +## Tripwires -入力あるいは出力がガードレールを通過できなかった場合、ガードレールはトリップワイヤでその旨を通知できます。トリップワイヤが起動したガードレールを検出するとすぐに `{Input,Output}GuardrailTripwireTriggered` 例外を送出し、エージェントの実行を停止します。 +入力または出力がガードレールに失敗した場合、ガードレールはトリップワイヤーでこれを通知できます。トリップワイヤーが発火したガードレールを検知すると、ただちに `{Input,Output}GuardrailTripwireTriggered` 例外を送出し、エージェントの実行を停止します。 ## ガードレールの実装 -入力を受け取り、[`GuardrailFunctionOutput`][agents.guardrail.GuardrailFunctionOutput] を返す関数を用意する必要があります。この例では、内部でエージェントを実行してこれを行います。 +入力を受け取り、[`GuardrailFunctionOutput`][agents.guardrail.GuardrailFunctionOutput] を返す関数を用意する必要があります。以下の例では、その裏でエージェントを実行してこれを行います。 ```python from pydantic import BaseModel @@ -95,11 +95,11 @@ async def main(): ``` 1. このエージェントをガードレール関数内で使用します。 -2. これはエージェントの入力 / コンテキストを受け取り、結果を返すガードレール関数です。 -3. ガードレール結果に追加情報を含めることもできます。 -4. これはワークフローを定義する実際のエージェントです。 +2. これはエージェントの入力/コンテキストを受け取り、結果を返すガードレール関数です。 +3. ガードレール結果には追加情報を含めることができます。 +4. こちらがワークフローを定義する実際のエージェントです。 -出力ガードレールも同様です。 +Output ガードレールも同様です。 ```python from pydantic import BaseModel @@ -152,7 +152,7 @@ async def main(): print("Math output guardrail tripped") ``` -1. これは実際のエージェントの出力型です。 -2. これはガードレールの出力型です。 +1. こちらは実際のエージェントの出力型です。 +2. こちらはガードレールの出力型です。 3. これはエージェントの出力を受け取り、結果を返すガードレール関数です。 -4. これはワークフローを定義する実際のエージェントです。 \ No newline at end of file +4. こちらがワークフローを定義する実際のエージェントです。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/handoffs.md b/docs/ja/handoffs.md index 5e55ddc49..f8e29cca2 100644 --- a/docs/ja/handoffs.md +++ b/docs/ja/handoffs.md @@ -4,19 +4,19 @@ search: --- # ハンドオフ -ハンドオフを使用すると、あるエージェントが別のエージェントにタスクを委譲できます。これは、異なるエージェントがそれぞれ得意分野を持っている場面で特に有用です。たとえば、カスタマーサポートアプリでは、注文状況・返金・FAQ などをそれぞれ担当するエージェントを用意することがあります。 +ハンドオフを使用すると、エージェント がタスクを別の エージェント に委任できます。これは、異なる エージェント がそれぞれ固有の分野を専門とするシナリオで特に便利です。たとえば、カスタマーサポートアプリでは、注文状況、返金、 FAQ などのタスクを個別に処理する エージェント が存在する場合があります。 -ハンドオフは LLM からはツールとして扱われます。したがって `Refund Agent` というエージェントへのハンドオフがある場合、ツール名は `transfer_to_refund_agent` となります。 +ハンドオフは LLM にはツールとして表現されます。したがって `Refund Agent` へのハンドオフがある場合、ツール名は `transfer_to_refund_agent` になります。 ## ハンドオフの作成 -すべてのエージェントには `handoffs` パラメーターがあり、ここには `Agent` を直接渡すことも、ハンドオフをカスタマイズした `Handoff` オブジェクトを渡すこともできます。 +すべての エージェント には [`handoffs`][agents.agent.Agent.handoffs] パラメーターがあります。これは `Agent` を直接渡すことも、ハンドオフをカスタマイズする `Handoff` オブジェクトを渡すこともできます。 -Agents SDK が提供する `handoff()` 関数を使ってハンドオフを作成できます。この関数では、委譲先のエージェントを指定できるほか、各種オーバーライドや入力フィルターも設定できます。 +Agents SDK が提供する [`handoff()`][agents.handoffs.handoff] 関数を使用してハンドオフを作成できます。この関数では、ハンドオフ先の エージェント を指定できるほか、オーバーライドや入力フィルターも任意で設定できます。 -### 基本的な使い方 +### 基本的な使用方法 -シンプルなハンドオフの作成例は次のとおりです。 +シンプルなハンドオフを作成する方法は次のとおりです: ```python from agents import Agent, handoff @@ -28,18 +28,18 @@ refund_agent = Agent(name="Refund agent") triage_agent = Agent(name="Triage agent", handoffs=[billing_agent, handoff(refund_agent)]) ``` -1. `billing_agent` のようにエージェントを直接渡す方法と、`handoff()` 関数を使う方法のどちらも利用できます。 +1. `billing_agent` のように エージェント を直接渡すことも、`handoff()` 関数を使用することもできます。 ### `handoff()` 関数によるハンドオフのカスタマイズ -`handoff()` 関数では、さまざまなカスタマイズが可能です。 +[`handoff()`][agents.handoffs.handoff] 関数ではさまざまなカスタマイズが可能です。 -- `agent`: タスクを委譲するエージェント。 -- `tool_name_override`: 既定では `Handoff.default_tool_name()` が使用され、`transfer_to_` に評価されます。ここを上書きできます。 -- `tool_description_override`: `Handoff.default_tool_description()` によるデフォルトのツール説明を上書きします。 -- `on_handoff`: ハンドオフ実行時に呼び出されるコールバック関数。ハンドオフが呼び出された瞬間にデータ取得を開始するなどに便利です。この関数はエージェントコンテキストを受け取り、オプションで LLM が生成した入力も受け取れます。この入力データは `input_type` パラメーターで制御します。 -- `input_type`: ハンドオフで期待される入力の型(任意)。 -- `input_filter`: 次のエージェントが受け取る入力をフィルターできます。詳細は後述します。 +- `agent`: ハンドオフ先の エージェント です。 +- `tool_name_override`: 既定では `Handoff.default_tool_name()` が使用され、これは `transfer_to_` になります。これを上書きできます。 +- `tool_description_override`: `Handoff.default_tool_description()` の既定のツール説明を上書きします。 +- `on_handoff`: ハンドオフが呼び出されたときに実行されるコールバック関数です。ハンドオフが呼び出されたことがわかった時点でデータ取得を開始するなどに役立ちます。この関数は エージェント コンテキストを受け取り、オプションで LLM が生成した入力も受け取ることができます。入力データは `input_type` パラメーターによって制御されます。 +- `input_type`: ハンドオフが受け取る入力の型 (任意)。 +- `input_filter`: 次の エージェント が受け取る入力をフィルターできます。詳細は後述します。 ```python from agents import Agent, handoff, RunContextWrapper @@ -57,9 +57,9 @@ handoff_obj = handoff( ) ``` -## ハンドオフ入力 +## ハンドオフの入力 -状況によっては、LLM がハンドオフを呼び出す際に何らかのデータを渡してほしい場合があります。たとえば「Escalation agent(エスカレーション エージェント)」へのハンドオフでは、ログ用に理由を渡してもらいたいかもしれません。 +状況によっては、ハンドオフを呼び出す際に LLM から何らかのデータを渡してほしい場合があります。たとえば「Escalation agent」へのハンドオフを考えてみましょう。理由を渡してログに残したいかもしれません。 ```python from pydantic import BaseModel @@ -83,9 +83,9 @@ handoff_obj = handoff( ## 入力フィルター -ハンドオフが行われると、新しいエージェントが会話を引き継ぎ、以前の会話履歴をすべて閲覧できる状態になります。これを変更したい場合は `input_filter` を設定してください。入力フィルターは `HandoffInputData` として渡された既存の入力を受け取り、新しい `HandoffInputData` を返す関数です。 +ハンドオフが発生すると、新しい エージェント が会話を引き継ぎ、これまでの会話履歴をすべて閲覧できる状態になります。これを変更したい場合は、[`input_filter`][agents.handoffs.Handoff.input_filter] を設定できます。入力フィルターは、[`HandoffInputData`][agents.handoffs.HandoffInputData] を介して既存の入力を受け取り、新しい `HandoffInputData` を返す関数です。 -よくあるパターン(履歴からすべてのツール呼び出しを削除するなど)は、`agents.extensions.handoff_filters` に実装済みです。 +履歴からすべてのツール呼び出しを削除するなど、よくあるパターンが [`agents.extensions.handoff_filters`][] に実装されています。 ```python from agents import Agent, handoff @@ -99,11 +99,11 @@ handoff_obj = handoff( ) ``` -1. これにより `FAQ agent` が呼び出された際に、履歴からすべてのツール呼び出しが自動的に削除されます。 +1. `FAQ agent` が呼び出されたとき、履歴からすべてのツールが自動的に削除されます。 ## 推奨プロンプト -LLM がハンドオフを正しく理解できるよう、エージェント内にハンドオフに関する情報を含めることを推奨します。`agents.extensions.handoff_prompt.RECOMMENDED_PROMPT_PREFIX` に推奨のプリフィックスが用意されているほか、`agents.extensions.handoff_prompt.prompt_with_handoff_instructions` を呼び出すことで推奨情報をプロンプトに自動追加できます。 +LLM がハンドオフを正しく理解できるよう、 エージェント にハンドオフに関する情報を含めることを推奨します。[`agents.extensions.handoff_prompt.RECOMMENDED_PROMPT_PREFIX`][] に推奨プレフィックスが用意されているほか、[`agents.extensions.handoff_prompt.prompt_with_handoff_instructions`][] を呼び出してプロンプトに推奨データを自動的に追加することもできます。 ```python from agents import Agent diff --git a/docs/ja/index.md b/docs/ja/index.md index e077c29aa..a13c6ec3b 100644 --- a/docs/ja/index.md +++ b/docs/ja/index.md @@ -4,31 +4,31 @@ search: --- # OpenAI Agents SDK -[OpenAI Agents SDK](https://github.com/openai/openai-agents-python) は、非常に少ない抽象化で軽量かつ使いやすいパッケージとして、エージェント指向の AI アプリを構築できるツールです。これは、以前のエージェント向け実験的プロジェクトである [Swarm](https://github.com/openai/swarm/tree/main) を、本番環境向けにアップグレードしたものです。Agents SDK にはごく少数の基本コンポーネントがあります。 +[OpenAI Agents SDK](https://github.com/openai/openai-agents-python) は、少ない抽象化で軽量かつ使いやすいパッケージを通じて、エージェント指向の AI アプリを構築できるようにします。これは、以前のエージェント向け実験プロジェクトである [Swarm](https://github.com/openai/swarm/tree/main) を本番利用向けにアップグレードしたものです。Agents SDK にはごく少数の基本コンポーネントが用意されています。 -- **エージェント**: instructions と tools を備えた LLM -- **ハンドオフ**: 特定タスクを他のエージェントへ委任する仕組み -- **ガードレール**: エージェントへの入力を検証する仕組み -- **セッション**: エージェント実行間で会話履歴を自動的に保持 +- **エージェント** — instructions と tools を備えた LLM +- **ハンドオフ** — エージェントが特定タスクを他のエージェントへ委任できます +- **ガードレール** — エージェントへの入力を検証できます +- **セッション** — エージェント実行間で会話履歴を自動的に保持します -Python と組み合わせることで、これらの基本コンポーネントはツールとエージェント間の複雑な関係を表現でき、急な学習コストなしに実用的なアプリケーションを構築できます。さらに、SDK には **トレーシング** が組み込まれており、エージェントフローの可視化やデバッグ、評価、さらにはアプリ固有のモデルのファインチューニングも行えます。 +Python と組み合わせることで、これらの基本コンポーネントはツールとエージェント間の複雑な関係性を表現でき、学習コストを抑えながら実運用レベルのアプリケーションを構築できます。さらに、SDK にはワークフローを可視化・デバッグできる **トレーシング** が組み込まれており、評価やファインチューニング、蒸留など OpenAI の各種ツールも利用可能です。 -## Agents SDK を使用する理由 +## Agents SDK の利点 -SDK の設計には 2 つの原則があります。 +本 SDK には、次の 2 つの設計原則があります。 -1. 学ぶ価値のある十分な機能を備えつつ、覚えるべきコンポーネント数は最小限に抑える。 -2. そのままでも優れた体験を提供しつつ、処理内容を細かくカスタマイズできる。 +1. 使う価値がある十分な機能を備えつつ、学習が速いように基本コンポーネントを最小限にする。 +2. すぐに使える状態で動作する一方、挙動を細かくカスタマイズできる。 -主な特徴は次のとおりです。 +主な機能は以下のとおりです。 -- エージェントループ: tools の呼び出し、結果を LLM へ送信、LLM が完了するまでループ処理を自動で実行。 -- Python ファースト: 新しい抽象を学習することなく、Python の言語機能でエージェントをオーケストレーションおよび連鎖。 -- ハンドオフ: 複数エージェント間の調整と委任を可能にする強力な機能。 -- ガードレール: エージェントと並行して入力検証を実行し、チェック失敗時には早期終了。 -- セッション: エージェント実行間の会話履歴を自動管理し、手動での状態管理を排除。 -- 関数ツール: 任意の Python 関数を自動スキーマ生成と Pydantic 検証付きの tool へ変換。 -- トレーシング: ワークフローの可視化・デバッグ・監視だけでなく、OpenAI の評価、ファインチューニング、蒸留ツールも利用可能。 +- **Agent loop**: ツール呼び出し、結果を LLM へ送信、LLM が完了するまでループする処理を内蔵 +- **Python ファースト**: 新しい抽象を覚えることなく、Python の言語機能でエージェントをオーケストレーション・連鎖可能 +- **ハンドオフ**: 複数エージェント間の協調や委任を行える強力な機能 +- **ガードレール**: エージェントと並行して入力検証を実行し、チェック失敗時には早期終了 +- **セッション**: エージェント実行間の会話履歴を自動管理し、手動での状態管理を不要化 +- **Function tools**: 任意の Python 関数をツール化し、自動スキーマ生成と Pydantic でのバリデーションを提供 +- **トレーシング**: ワークフローの可視化・デバッグ・モニタリングに加え、OpenAI の評価、ファインチューニング、蒸留ツールを利用可能 ## インストール @@ -51,7 +51,7 @@ print(result.final_output) # Infinite loop's dance. ``` -(_実行の際は `OPENAI_API_KEY` 環境変数を設定してください_) +(_実行する場合は `OPENAI_API_KEY` 環境変数を設定してください_) ```bash export OPENAI_API_KEY=sk-... diff --git a/docs/ja/mcp.md b/docs/ja/mcp.md index 69d45fa73..6d45c717e 100644 --- a/docs/ja/mcp.md +++ b/docs/ja/mcp.md @@ -4,23 +4,23 @@ search: --- # Model context protocol (MCP) -[Model context protocol](https://modelcontextprotocol.io/introduction)(別名 MCP)は、 LLM にツールとコンテキストを提供する方法です。MCP ドキュメントによると: +[Model context protocol](https://modelcontextprotocol.io/introduction)(以下 MCP)は、LLM にツールとコンテキストを提供するための方法です。MCP のドキュメントより引用します。 -> MCP は、アプリケーションが LLMs にコンテキストを提供する方法を標準化するオープンプロトコルです。MCP を AI アプリケーション向けの USB-C ポートのようなものと考えてください。USB-C がデバイスをさまざまな周辺機器やアクセサリに接続する標準化された方法を提供するのと同様に、MCP は AI モデルを異なるデータソースやツールに接続する標準化された方法を提供します。 +> MCP は、アプリケーションが LLM にコンテキストを提供する方法を標準化するオープンプロトコルです。MCP を AI アプリケーション向けの USB-C ポートのようなものと考えてください。USB-C がデバイスを周辺機器やアクセサリに接続する統一規格を提供するように、MCP は AI モデルをさまざまなデータソースやツールに接続する統一規格を提供します。 -Agents SDK は MCP をサポートしています。これにより、幅広い MCP サーバーを使用してエージェントにツールやプロンプトを提供できます。 +Agents SDK は MCP をサポートしています。これにより、多様な MCP サーバーを使用してエージェントにツールやプロンプトを提供できます。 ## MCP サーバー -現在、MCP 仕様では使用するトランスポートメカニズムに基づき、3 種類のサーバーが定義されています: +現在、MCP の仕様では、使用するトランスポート方式に基づき 3 種類のサーバーが定義されています。 -1. **stdio** サーバー: アプリケーションのサブプロセスとして実行されます。ローカルで動作していると考えてください。 -2. **HTTP over SSE** サーバー: リモートで実行され、URL で接続します。 -3. **Streamable HTTP** サーバー: MCP 仕様で定義された Streamable HTTP トランスポートを用いてリモートで実行されます。 +1. **stdio** サーバー: アプリケーションのサブプロセスとして実行されます。ローカルで動作するイメージです。 +2. **HTTP over SSE** サーバー: リモートで実行され、URL を介して接続します。 +3. **Streamable HTTP** サーバー: MCP 仕様で定義されている Streamable HTTP トランスポートを用いてリモートで実行されます。 -これらのサーバーへは [`MCPServerStdio`][agents.mcp.server.MCPServerStdio]、[`MCPServerSse`][agents.mcp.server.MCPServerSse]、[`MCPServerStreamableHttp`][agents.mcp.server.MCPServerStreamableHttp] クラスを使って接続できます。 +これらのサーバーへは [`MCPServerStdio`][agents.mcp.server.MCPServerStdio]、[`MCPServerSse`][agents.mcp.server.MCPServerSse]、[`MCPServerStreamableHttp`][agents.mcp.server.MCPServerStreamableHttp] クラスを使用して接続できます。 -たとえば、[公式 MCP ファイルシステムサーバー](https://www.npmjs.com/package/@modelcontextprotocol/server-filesystem) を利用する場合は次のようになります。 +たとえば、[公式 MCP filesystem サーバー](https://www.npmjs.com/package/@modelcontextprotocol/server-filesystem) を利用する場合は次のようになります。 ```python from agents.run_context import RunContextWrapper @@ -39,9 +39,9 @@ async with MCPServerStdio( tools = await server.list_tools(run_context, agent) ``` -## MCP サーバーの利用 +## MCP サーバーの使用 -MCP サーバーはエージェントに追加できます。Agents SDK はエージェント実行時に毎回 MCP サーバーの `list_tools()` を呼び出し、 LLM に MCP サーバーのツールを認識させます。 LLM が MCP サーバーのツールを呼び出すと、SDK はサーバーの `call_tool()` を実行します。 +MCP サーバーはエージェントに追加できます。Agents SDK はエージェントが実行されるたびに MCP サーバーへ `list_tools()` を呼び出し、LLM に MCP サーバーのツールを認識させます。LLM が MCP サーバーのツールを呼び出すと、SDK はそのサーバーの `call_tool()` を実行します。 ```python @@ -52,13 +52,13 @@ agent=Agent( ) ``` -## ツールフィルタリング +## ツールのフィルタリング -MCP サーバーでツールフィルターを設定すると、エージェントが利用できるツールを制限できます。SDK は静的および動的フィルタリングの両方をサポートしています。 +MCP サーバーではツールフィルターを設定して、エージェントが利用できるツールを制御できます。SDK は静的フィルタリングと動的フィルタリングの両方をサポートします。 ### 静的ツールフィルタリング -単純な許可 / ブロックリストには静的フィルタリングを使用できます: +単純な許可 / ブロック リストの場合は静的フィルタリングを使用します。 ```python from agents.mcp import create_static_tool_filter @@ -87,15 +87,15 @@ server = MCPServerStdio( ``` -**`allowed_tool_names` と `blocked_tool_names` の両方が設定されている場合の処理順序:** -1. まず `allowed_tool_names`(許可リスト)を適用し、指定したツールのみを残します -2. 次に `blocked_tool_names`(ブロックリスト)を適用し、残ったツールから指定したツールを除外します +**`allowed_tool_names` と `blocked_tool_names` の両方を設定した場合の処理順序は次のとおりです。** +1. まず `allowed_tool_names`(許可リスト)を適用し、指定したツールのみを残します。 +2. 次に `blocked_tool_names`(ブロックリスト)を適用し、残ったツールから指定したツールを除外します。 -たとえば `allowed_tool_names=["read_file", "write_file", "delete_file"]` と `blocked_tool_names=["delete_file"]` を設定すると、利用可能なのは `read_file` と `write_file` だけになります。 +例として `allowed_tool_names=["read_file", "write_file", "delete_file"]` と `blocked_tool_names=["delete_file"]` を設定すると、利用可能なのは `read_file` と `write_file` のみになります。 ### 動的ツールフィルタリング -より複雑なロジックが必要な場合は、関数を使った動的フィルターを利用できます: +より複雑なフィルタリングが必要な場合は、関数を使った動的フィルタリングを利用できます。 ```python from agents.mcp import ToolFilterContext @@ -134,21 +134,21 @@ server = MCPServerStdio( ) ``` -`ToolFilterContext` では次の情報にアクセスできます: -- `run_context`: 現在の実行コンテキスト -- `agent`: ツールを要求しているエージェント -- `server_name`: MCP サーバー名 +`ToolFilterContext` では次の情報にアクセスできます。 +- `run_context`: 現在の実行コンテキスト +- `agent`: ツールを要求しているエージェント +- `server_name`: MCP サーバー名 ## プロンプト -MCP サーバーは、agent instructions を動的に生成できるプロンプトも提供します。これにより、パラメーターでカスタマイズ可能な再利用可能な instruction テンプレートを作成できます。 +MCP サーバーは、エージェントの instructions を動的に生成するためのプロンプトも提供できます。これにより、パラメーターでカスタマイズ可能な再利用可能な instruction テンプレートを作成できます。 -### プロンプトの利用 +### プロンプトの使用 -プロンプトをサポートする MCP サーバーは、次の 2 つの主要メソッドを提供します: +プロンプトをサポートする MCP サーバーは、次の 2 つの主要メソッドを提供します。 -- `list_prompts()`: サーバー上のすべてのプロンプトを一覧表示 -- `get_prompt(name, arguments)`: 任意のパラメーター付きで特定のプロンプトを取得 +- `list_prompts()`: サーバー上で利用可能なすべてのプロンプトを列挙します +- `get_prompt(name, arguments)`: パラメーターを指定して特定のプロンプトを取得します ```python # List available prompts @@ -173,19 +173,19 @@ agent = Agent( ## キャッシュ -エージェントが実行されるたびに、MCP サーバーの `list_tools()` が呼ばれます。サーバーがリモートの場合、これはレイテンシーの原因になります。ツール一覧を自動でキャッシュするには、[`MCPServerStdio`][agents.mcp.server.MCPServerStdio]、[`MCPServerSse`][agents.mcp.server.MCPServerSse]、[`MCPServerStreamableHttp`][agents.mcp.server.MCPServerStreamableHttp] に `cache_tools_list=True` を渡します。ツール一覧が変更されないと確信できる場合のみ実行してください。 +エージェントが実行されるたびに、MCP サーバーへ `list_tools()` が呼び出されます。特にリモートサーバーの場合、これはレイテンシの原因になります。ツール一覧を自動的にキャッシュするには、[`MCPServerStdio`][agents.mcp.server.MCPServerStdio]、[`MCPServerSse`][agents.mcp.server.MCPServerSse]、[`MCPServerStreamableHttp`][agents.mcp.server.MCPServerStreamableHttp] に `cache_tools_list=True` を渡します。ツールリストが変わらないと確信できる場合のみ行ってください。 キャッシュを無効化したい場合は、サーバーの `invalidate_tools_cache()` を呼び出します。 -## End-to-end コード例 +## エンドツーエンド code examples -[examples/mcp](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/mcp) で完全な動作例をご覧いただけます。 +完全な動作例は [examples/mcp](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/mcp) をご覧ください。 ## トレーシング -[Tracing](./tracing.md) を使用すると、MCP 操作が自動的に記録されます。対象は次のとおりです: +[トレーシング](./tracing.md) は MCP 操作を自動的に記録します。内容は次のとおりです。 -1. MCP サーバーへのツール一覧要求 -2. 関数呼び出しに関する MCP 関連情報 +1. ツール一覧取得のための MCP サーバー呼び出し +2. 関数呼び出しに関する MCP 関連情報 ![MCP Tracing Screenshot](../assets/images/mcp-tracing.jpg) \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/models/index.md b/docs/ja/models/index.md index 04c7d99e8..a32e93d05 100644 --- a/docs/ja/models/index.md +++ b/docs/ja/models/index.md @@ -4,51 +4,54 @@ search: --- # モデル -Agents SDK には、すぐに使える 2 種類の OpenAI モデル対応が含まれています。 +Agents SDK には OpenAI モデルの 2 種類が標準でサポートされています: -- **推奨**: [`OpenAIResponsesModel`][agents.models.openai_responses.OpenAIResponsesModel] — 新しい [Responses API](https://platform.openai.com/docs/api-reference/responses) を使用して OpenAI API を呼び出します。 -- [`OpenAIChatCompletionsModel`][agents.models.openai_chatcompletions.OpenAIChatCompletionsModel] — [Chat Completions API](https://platform.openai.com/docs/api-reference/chat) を使用して OpenAI API を呼び出します。 +- **推奨**: [`OpenAIResponsesModel`][agents.models.openai_responses.OpenAIResponsesModel] は、新しい Responses API を用いて OpenAI API を呼び出します。 +- [`OpenAIChatCompletionsModel`][agents.models.openai_chatcompletions.OpenAIChatCompletionsModel] は、Chat Completions API を用いて OpenAI API を呼び出します。 -## 非 OpenAI モデル +## Non-OpenAI モデル -ほとんどの非 OpenAI モデルは [LiteLLM インテグレーション](./litellm.md) 経由で利用できます。まず、litellm 依存グループをインストールしてください。 +ほとんどの Non-OpenAI モデルは [LiteLLM インテグレーション](./litellm.md) 経由で利用できます。まず、litellm の依存グループをインストールします: ```bash pip install "openai-agents[litellm]" ``` -その後、`litellm/` プレフィックスを付けて [サポートされているモデル](https://docs.litellm.ai/docs/providers) を指定します。 +次に、`litellm/` プレフィックスを付けて [サポートされているモデル](https://docs.litellm.ai/docs/providers) を使用します: ```python claude_agent = Agent(model="litellm/anthropic/claude-3-5-sonnet-20240620", ...) gemini_agent = Agent(model="litellm/gemini/gemini-2.5-flash-preview-04-17", ...) ``` -### 非 OpenAI モデルを利用するその他の方法 +### Non-OpenAI モデルを利用するその他の方法 -他の LLM プロバイダーを統合する方法はさらに 3 つあります([こちら](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/model_providers/) に code examples あり)。 +他の LLM プロバイダーは、次の 3 つの方法でも統合できます (コード例は [こちら](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/model_providers/)): -1. [`set_default_openai_client`][agents.set_default_openai_client] — `AsyncOpenAI` インスタンスを LLM クライアントとしてグローバルに使用したい場合に便利です。LLM プロバイダーが OpenAI 互換 API エンドポイントを持ち、`base_url` と `api_key` を設定できるケース向けです。設定例は [examples/model_providers/custom_example_global.py](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/model_providers/custom_example_global.py) をご覧ください。 -2. [`ModelProvider`][agents.models.interface.ModelProvider] — `Runner.run` レベルで指定できます。「この run 内のすべての エージェント ではカスタムモデルプロバイダーを使う」といった指定が可能です。設定例は [examples/model_providers/custom_example_provider.py](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/model_providers/custom_example_provider.py) をご覧ください。 -3. [`Agent.model`][agents.agent.Agent.model] — 特定の Agent インスタンスにモデルを指定できます。これにより、エージェントごとに異なるプロバイダーを混在させることができます。設定例は [examples/model_providers/custom_example_agent.py](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/model_providers/custom_example_agent.py) をご覧ください。ほとんどのモデルを簡単に利用するには [LiteLLM インテグレーション](./litellm.md) が便利です。 +1. [`set_default_openai_client`][agents.set_default_openai_client] + `AsyncOpenAI` のインスタンスを LLM クライアントとしてグローバルに利用したい場合に便利です。LLM プロバイダーが OpenAI 互換エンドポイントを持つ場合、`base_url` と `api_key` を設定できます。設定例は [examples/model_providers/custom_example_global.py](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/model_providers/custom_example_global.py) をご覧ください。 +2. [`ModelProvider`][agents.models.interface.ModelProvider] + これは `Runner.run` レベルで、「この実行ではすべてのエージェントにカスタムモデルプロバイダーを使う」と指定できます。設定例は [examples/model_providers/custom_example_provider.py](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/model_providers/custom_example_provider.py) をご覧ください。 +3. [`Agent.model`][agents.agent.Agent.model] + 特定の Agent インスタンスにモデルを指定できます。これにより、エージェントごとに異なるプロバイダーを組み合わせられます。設定例は [examples/model_providers/custom_example_agent.py](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/model_providers/custom_example_agent.py) をご覧ください。多くのモデルを簡単に使う方法として [LiteLLM インテグレーション](./litellm.md) があります。 -`platform.openai.com` の API キーをお持ちでない場合は、`set_tracing_disabled()` でトレーシングを無効化するか、[別のトレーシング プロセッサー](../tracing.md) を設定することをおすすめします。 +`platform.openai.com` の API キーをお持ちでない場合は、`set_tracing_disabled()` でトレーシングを無効化するか、[別のトレーシングプロセッサー](../tracing.md) を設定することをおすすめします。 !!! note - これらの例では Chat Completions API/モデルを使用しています。多くの LLM プロバイダーがまだ Responses API をサポートしていないためです。もしお使いの LLM プロバイダーが Responses API をサポートしている場合は、Responses を使用することを推奨します。 + これらの例では、ほとんどの LLM プロバイダーがまだ Responses API をサポートしていないため、Chat Completions API/モデルを使用しています。もしご利用の LLM プロバイダーが Responses API をサポートしている場合は、Responses を使用することを推奨します。 ## モデルの組み合わせ -1 つのワークフロー内で、エージェントごとに異なるモデルを使用したい場合があります。たとえば、トリアージにはより小さく高速なモデルを使い、複雑なタスクにはより大型で高性能なモデルを使うといったケースです。[`Agent`][agents.Agent] を設定するとき、以下のいずれかの方法で特定のモデルを選択できます。 +1 つのワークフロー内でエージェントごとに異なるモデルを使いたい場合があります。たとえば、簡単な振り分けには小さく高速なモデルを、複雑なタスクには大きく高性能なモデルを使うといったパターンです。[`Agent`][agents.Agent] を設定する際には、次のいずれかでモデルを指定できます: -1. モデル名を直接渡す。 -2. どのモデル名でも渡し、その名前を Model インスタンスにマッピングできる [`ModelProvider`][agents.models.interface.ModelProvider] を渡す。 -3. [`Model`][agents.models.interface.Model] 実装を直接渡す。 +1. モデル名を直接渡す +2. 任意のモデル名 + その名前を Model インスタンスにマップできる [`ModelProvider`][agents.models.interface.ModelProvider] を渡す +3. [`Model`][agents.models.interface.Model] 実装を直接渡す !!!note - SDK は [`OpenAIResponsesModel`][agents.models.openai_responses.OpenAIResponsesModel] と [`OpenAIChatCompletionsModel`][agents.models.openai_chatcompletions.OpenAIChatCompletionsModel] の両方の形をサポートしますが、ワークフローごとに 1 つのモデル形に統一することを推奨します。2 つの形では利用できる機能や tools が異なるためです。モデル形を混在させる場合は、使用するすべての機能が両方で利用可能であることを確認してください。 + SDK は [`OpenAIResponsesModel`][agents.models.openai_responses.OpenAIResponsesModel] と [`OpenAIChatCompletionsModel`][agents.models.openai_chatcompletions.OpenAIChatCompletionsModel] の両方をサポートしていますが、ワークフローごとに 1 種類のモデル形状を使うことを推奨します。両者は対応する機能や tools が異なるためです。もし混在が必要な場合は、利用する全機能が両方でサポートされているか確認してください。 ```python from agents import Agent, Runner, AsyncOpenAI, OpenAIChatCompletionsModel @@ -81,10 +84,10 @@ async def main(): print(result.final_output) ``` -1. OpenAI モデル名を直接設定しています。 -2. [`Model`][agents.models.interface.Model] 実装を提供しています。 +1. OpenAI モデル名を直接設定します。 +2. [`Model`][agents.models.interface.Model] 実装を提供します。 -エージェントで使用するモデルをさらに細かく設定したい場合は、`temperature` などのオプションパラメーターを指定できる [`ModelSettings`][agents.models.interface.ModelSettings] を渡せます。 +エージェントで使用するモデルをさらに設定したい場合は、`temperature` などのオプションを指定できる [`ModelSettings`][agents.models.interface.ModelSettings] を渡します。 ```python from agents import Agent, ModelSettings @@ -97,7 +100,7 @@ english_agent = Agent( ) ``` -また、OpenAI の Responses API を使用する場合は [その他のオプションパラメーター](https://platform.openai.com/docs/api-reference/responses/create)(`user`、`service_tier` など)もあります。トップレベルで指定できない場合は、`extra_args` を利用して渡すことができます。 +また、OpenAI の Responses API を使う場合は [追加のオプションパラメーター](https://platform.openai.com/docs/api-reference/responses/create) (例: `user`, `service_tier` など) も利用できます。トップレベルにない場合は `extra_args` から渡してください。 ```python from agents import Agent, ModelSettings @@ -113,26 +116,29 @@ english_agent = Agent( ) ``` -## 他の LLM プロバイダー利用時の一般的な問題 +## 他の LLM プロバイダー利用時によくある問題 -### トレーシング クライアント 401 エラー +### トレーシング クライアントのエラー 401 -トレーシング関連のエラーが発生する場合、トレースが OpenAI サーバーにアップロードされる仕組みであり、OpenAI API キーがないことが原因です。解決策は次の 3 つです。 +トレースは OpenAI サーバーへアップロードされるため、OpenAI API キーがない場合にエラーが発生します。以下のいずれかで解決できます: -1. トレーシングを完全に無効化する: [`set_tracing_disabled(True)`][agents.set_tracing_disabled] -2. トレーシング用に OpenAI キーを設定する: [`set_tracing_export_api_key(...)`][agents.set_tracing_export_api_key] — この API キーはトレースのアップロードのみに使用され、[platform.openai.com](https://platform.openai.com/) のキーである必要があります。 -3. 非 OpenAI のトレース プロセッサーを使用する。詳細は [tracing docs](../tracing.md#custom-tracing-processors) を参照してください。 +1. トレーシングを完全に無効化: [`set_tracing_disabled(True)`][agents.set_tracing_disabled] +2. トレーシング用の OpenAI キーを設定: [`set_tracing_export_api_key(...)`][agents.set_tracing_export_api_key] + このキーはトレースのアップロードのみに使用され、[platform.openai.com](https://platform.openai.com/) のものが必要です。 +3. OpenAI 以外のトレースプロセッサーを使用: [tracing ドキュメント](../tracing.md#custom-tracing-processors) を参照 -### Responses API サポート +### Responses API のサポート -SDK はデフォルトで Responses API を使用しますが、ほとんどの他社 LLM プロバイダーはまだ対応していません。その結果、404 エラーなどが発生することがあります。対処方法は次の 2 つです。 +SDK はデフォルトで Responses API を使用しますが、ほとんどの LLM プロバイダーはまだ対応していません。そのため 404 などのエラーが発生する場合があります。以下のいずれかで解決してください: -1. [`set_default_openai_api("chat_completions")`][agents.set_default_openai_api] を呼び出す。これは環境変数 `OPENAI_API_KEY` と `OPENAI_BASE_URL` を設定している場合に機能します。 -2. [`OpenAIChatCompletionsModel`][agents.models.openai_chatcompletions.OpenAIChatCompletionsModel] を使用する。code examples は [こちら](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/model_providers/) にあります。 +1. [`set_default_openai_api("chat_completions")`][agents.set_default_openai_api] を呼び出す + これは環境変数 `OPENAI_API_KEY` と `OPENAI_BASE_URL` を設定している場合に有効です。 +2. [`OpenAIChatCompletionsModel`][agents.models.openai_chatcompletions.OpenAIChatCompletionsModel] を使用する + コード例は [こちら](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/model_providers/) にあります。 -### structured outputs サポート +### structured outputs のサポート -一部のモデルプロバイダーは [structured outputs](https://platform.openai.com/docs/guides/structured-outputs) をサポートしていません。その場合、次のようなエラーが発生することがあります。 +一部のモデルプロバイダーは [structured outputs](https://platform.openai.com/docs/guides/structured-outputs) をサポートしていません。その場合、次のようなエラーになることがあります: ``` @@ -140,12 +146,12 @@ BadRequestError: Error code: 400 - {'error': {'message': "'response_format.type' ``` -これは一部プロバイダーの制限で、JSON 出力には対応しているものの、出力に使用する `json_schema` を指定できません。現在修正に取り組んでいますが、JSON schema 出力をサポートするプロバイダーを利用することを推奨します。そうでない場合、壊れた JSON が返され、アプリが頻繁に失敗する可能性があります。 +これは、JSON 出力には対応しているものの、出力に使用する `json_schema` を指定できないプロバイダーの制限です。修正に取り組んでいますが、JSON スキーマ出力に対応しているプロバイダーを利用することを推奨します。そうでない場合、生成される JSON が不正でアプリが頻繁に壊れる可能性があります。 -## プロバイダー間でのモデルの組み合わせ +## プロバイダーをまたいだモデルの組み合わせ -モデルプロバイダーごとの機能差を理解しておかないと、エラーが発生する可能性があります。たとえば、OpenAI は structured outputs、マルチモーダル入力、ホスト型の file search と web search をサポートしていますが、多くの他社プロバイダーはこれらをサポートしていません。以下の制限に注意してください。 +モデルプロバイダー間の機能差に注意しないとエラーが発生することがあります。たとえば、OpenAI は structured outputs、マルチモーダル入力、ホストされたファイル検索と Web 検索をサポートしますが、多くの他プロバイダーは対応していません。以下の制限に注意してください: -- 未対応の `tools` を理解しないプロバイダーへ送らない -- テキストのみのモデルに呼び出す前にマルチモーダル入力をフィルタリングする -- structured JSON outputs をサポートしないプロバイダーでは、無効な JSON が返る場合があることを理解する \ No newline at end of file +- 対応していないプロバイダーにはサポート外の `tools` を送らない +- テキストのみのモデルを呼び出す前にマルチモーダル入力を除外する +- structured JSON 出力をサポートしないプロバイダーは無効な JSON を返す場合がある点を認識する \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/models/litellm.md b/docs/ja/models/litellm.md index e4c914414..dd3a53d58 100644 --- a/docs/ja/models/litellm.md +++ b/docs/ja/models/litellm.md @@ -2,33 +2,33 @@ search: exclude: true --- -# LiteLLM 経由の任意モデル利用 +# LiteLLM 経由で任意モデルの利用 !!! note - LiteLLM との統合は現在 beta 版です。特に小規模なモデルプロバイダーでは問題が発生する場合があります。問題を見つけた際は [Github issues](https://github.com/openai/openai-agents-python/issues) からご報告ください。迅速に対応いたします。 + LiteLLM 統合は現在ベータ版です。特に小規模なモデルプロバイダーでは問題が発生する可能性があります。問題を見つけた場合は [Github issues](https://github.com/openai/openai-agents-python/issues) からご報告ください。迅速に対応します。 -[LiteLLM](https://docs.litellm.ai/docs/) は、1 つのインターフェースで 100+ のモデルを利用できるライブラリです。Agents SDK に LiteLLM との統合を追加したことで、任意の AI モデルを使用できるようになりました。 +[LiteLLM](https://docs.litellm.ai/docs/) は、単一のインターフェースで 100 以上のモデルを利用できるライブラリです。Agents SDK に LiteLLM 統合を追加したことで、任意の AI モデルを使用できるようになりました。 -## Setup +## セットアップ -`litellm` が利用可能であることを確認する必要があります。オプションの `litellm` 依存グループをインストールすることで設定できます: +`litellm` が利用可能であることを確認する必要があります。オプションの `litellm` 依存グループをインストールすることで準備できます。 ```bash pip install "openai-agents[litellm]" ``` -インストールが完了すると、任意のエージェントで [`LitellmModel`][agents.extensions.models.litellm_model.LitellmModel] を使用できます。 +インストール後、任意のエージェントで [`LitellmModel`][agents.extensions.models.litellm_model.LitellmModel] を使用できます。 -## Example +## 例 -以下は完全に動作する例です。実行するとモデル名と API キーの入力を求められます。例えば、次のように入力できます。 +以下は完全に動作する例です。実行すると、モデル名と API キーの入力を求められます。たとえば、次のように入力できます。 -- `openai/gpt-4.1` をモデルに指定し、OpenAI API キーを入力 -- `anthropic/claude-3-5-sonnet-20240620` をモデルに指定し、Anthropic API キーを入力 +- モデルに `openai/gpt-4.1`、API キーに OpenAI API キー +- モデルに `anthropic/claude-3-5-sonnet-20240620`、API キーに Anthropic API キー - など -LiteLLM でサポートされているモデルの全リストは [litellm providers docs](https://docs.litellm.ai/docs/providers) をご覧ください。 +LiteLLM がサポートしているモデルの一覧は、[litellm providers docs](https://docs.litellm.ai/docs/providers) をご覧ください。 ```python from __future__ import annotations diff --git a/docs/ja/multi_agent.md b/docs/ja/multi_agent.md index 7cdebc5a7..6b32b6d21 100644 --- a/docs/ja/multi_agent.md +++ b/docs/ja/multi_agent.md @@ -2,40 +2,40 @@ search: exclude: true --- -# 複数エージェントのオーケストレーション +# 複数のエージェントのオーケストレーション -オーケストレーションとは、アプリ内でのエージェントのフローを指します。どのエージェントがどの順番で実行され、次に何をするかをどう決定するかということです。エージェントをオーケストレーションする主な方法は 2 つあります。 +オーケストレーションとは、アプリ内でのエージェントのフローを指します。どのエージェントが実行されるのか、その順序はどうなるのか、次に何を行うかをどのように決定するのか。エージェントをオーケストレーションする方法は大きく 2 つあります。 -1. LLM に意思決定させる方法: LLM の知能を利用して計画・推論し、それに基づいて次のステップを決定します。 -2. コードによるオーケストレーション: 自分のコードでエージェントのフローを決定します。 +1. LLM に意思決定を任せる方法: LLM の知性を活用して計画・推論し、その結果に基づき次のステップを決定します。 +2. コードでオーケストレーションする方法: コードによってエージェントのフローを決定します。 -これらのパターンは組み合わせて使用できます。それぞれにトレードオフがあり、以下で説明します。 +これらのパターンは組み合わせて使用できます。それぞれにトレードオフがあるため、以下で説明します。 ## LLM によるオーケストレーション -エージェントとは、instructions、tools、handoffs を備えた LLM です。これにより、オープンエンドなタスクが与えられた場合でも、LLM は自律的に計画を立て、tools を用いてアクションを実行・データを取得し、handoffs でサブエージェントにタスクを委譲できます。たとえば、リサーチエージェントには次のような tools を装備できます。 +エージェントとは、LLM に instructions、tools、handoffs を組み合わせたものです。オープンエンドなタスクが与えられた場合、LLM はタスクに取り組む方法を自律的に計画し、tools を使って行動やデータ取得を行い、handoffs を使ってサブエージェントにタスクを委任できます。たとえば、リサーチ用エージェントには次のようなツールを持たせることができます。 - Web 検索でオンライン情報を取得 -- ファイル検索と取得で独自データや接続先を検索 -- コンピュータ操作で PC 上の操作を実行 -- コード実行でデータ分析を行う -- 計画立案やレポート作成に優れた専門エージェントへの handoffs +- ファイル検索とリトリーバルで独自データや接続先を検索 +- コンピュータ操作でコンピュータ上のアクションを実行 +- コード実行でデータ解析を実施 +- 計画立案やレポート作成などに長けた専門エージェントへの handoffs -このパターンはタスクがオープンエンドで、LLM の知能に頼りたい場合に最適です。重要なポイントは次のとおりです。 +このパターンは、タスクがオープンエンドであり LLM の知性に頼りたい場合に最適です。主なポイントは以下のとおりです。 -1. 良いプロンプトに投資する。利用可能な tools、その使い方、守るべきパラメーターを明確にしましょう。 -2. アプリをモニタリングして改善を重ねる。問題が起きた箇所を確認し、プロンプトを改善します。 -3. エージェントに内省と改善を許可する。たとえばループで実行し自己批判させる、エラーメッセージを渡して改善させるなどです。 -4. 何でもこなす汎用エージェントではなく、特定タスクに特化したエージェントを用意しましょう。 -5. [evals](https://platform.openai.com/docs/guides/evals) に投資する。これによりエージェントを訓練し、タスク性能を向上できます。 +1. 質の高いプロンプトに投資する。利用可能なツール、その使い方、守るべきパラメーターを明確にします。 +2. アプリを監視し、改善を重ねる。問題が発生した箇所を確認し、プロンプトを改善します。 +3. エージェントに内省と改善を許可する。たとえばループで実行し、自己批評させる、またはエラーメッセージを提供して改善させるなどです。 +4. 何でもこなす汎用エージェントではなく、 1 つのタスクに特化したエージェントを用意します。 +5. [evals](https://platform.openai.com/docs/guides/evals) に投資する。これによりエージェントを訓練し、タスク性能を向上できます。 ## コードによるオーケストレーション -LLM によるオーケストレーションは強力ですが、コードでオーケストレーションすると速度、コスト、パフォーマンスの面でより決定論的かつ予測可能になります。代表的なパターンは次のとおりです。 +LLM によるオーケストレーションは強力ですが、コードでオーケストレーションすると速度・コスト・性能面でより決定論的かつ予測可能になります。代表的なパターンは次のとおりです。 -- [structured outputs](https://platform.openai.com/docs/guides/structured-outputs) を使って、コードで検査可能な適切な形式のデータを生成する。たとえばエージェントにタスクをいくつかのカテゴリーに分類させ、そのカテゴリーに基づいて次のエージェントを選択します。 -- あるエージェントの出力を次のエージェントの入力へと変換して複数エージェントをチェーンする。ブログ記事作成なら、リサーチ → アウトライン作成 → 記事執筆 → 批評 → 改善という一連のステップに分解できます。 -- タスクを実行するエージェントを `while` ループで回し、評価とフィードバックを行うエージェントが合格と判断するまで繰り返します。 -- `asyncio.gather` など Python の基本コンポーネントで複数エージェントを並列実行する。相互依存のない複数タスクを高速化する際に有効です。 +- [structured outputs](https://platform.openai.com/docs/guides/structured-outputs) を用いて、コードで検査できる適切な形式のデータを生成する。たとえば、エージェントにタスクをいくつかのカテゴリーへ分類させ、そのカテゴリーに応じて次のエージェントを選択できます。 +- 複数のエージェントをチェーンし、前の出力を次の入力に変換する。ブログ記事執筆を例にすると、リサーチ → アウトライン作成 → 記事執筆 → 批評 → 改善という一連のステップに分解できます。 +- タスクを実行するエージェントと、評価してフィードバックを返すエージェントを `while` ループで回し、評価者が基準を満たしたと判断するまで繰り返します。 +- Python の基本コンポーネントである `asyncio.gather` などを使って複数エージェントを並列実行する。互いに依存しない複数タスクを扱う際の速度向上に有用です。 -[`examples/agent_patterns`](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/agent_patterns) には多数のコード例があります。 \ No newline at end of file +詳細なコード例は [`examples/agent_patterns`](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/agent_patterns) に用意しています。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/quickstart.md b/docs/ja/quickstart.md index f79d74523..8797a4ee7 100644 --- a/docs/ja/quickstart.md +++ b/docs/ja/quickstart.md @@ -6,7 +6,7 @@ search: ## プロジェクトと仮想環境の作成 -これは一度だけ実行すれば十分です。 +この手順は一度だけ実行すれば十分です。 ```bash mkdir my_project @@ -28,9 +28,9 @@ source .venv/bin/activate pip install openai-agents # or `uv add openai-agents`, etc ``` -### OpenAI API キーを設定する +### OpenAI API キーの設定 -お持ちでない場合は、[こちらの手順](https://platform.openai.com/docs/quickstart#create-and-export-an-api-key)に従って OpenAI API キーを作成してください。 +API キーをお持ちでない場合は、[こちらの手順](https://platform.openai.com/docs/quickstart#create-and-export-an-api-key) に従って OpenAI API キーを作成してください。 ```bash export OPENAI_API_KEY=sk-... @@ -38,7 +38,7 @@ export OPENAI_API_KEY=sk-... ## 最初のエージェントを作成する -エージェントは instructions、名前、そして `model_config` などのオプションの config で定義します。 +エージェントは instructions、名前、そして `model_config` などのオプション設定で定義します。 ```python from agents import Agent @@ -49,9 +49,9 @@ agent = Agent( ) ``` -## さらにいくつかのエージェントを追加する +## さらにエージェントを追加する -追加のエージェントも同じ方法で定義できます。`handoff_descriptions` は、ハンドオフのルーティングを決定するための追加コンテキストを提供します。 +追加のエージェントも同じ方法で定義できます。`handoff_descriptions` はハンドオフ先を決定するための追加コンテキストを提供します。 ```python from agents import Agent @@ -71,7 +71,7 @@ math_tutor_agent = Agent( ## ハンドオフを定義する -各エージェントでは、タスクを進める方法を選択できるよう、送信先ハンドオフのオプション一覧を定義できます。 +各エージェントでは、タスクを進めるために選択できる送信側ハンドオフオプションの一覧を定義できます。 ```python triage_agent = Agent( @@ -83,7 +83,7 @@ triage_agent = Agent( ## エージェントオーケストレーションを実行する -ワークフローが実行され、トリアージエージェントが 2 つのスペシャリストエージェント間を正しくルーティングすることを確認しましょう。 +ワークフローが実行され、トリアージエージェントが 2 つの専門エージェント間で正しくルーティングすることを確認してみましょう。 ```python from agents import Runner @@ -95,7 +95,7 @@ async def main(): ## ガードレールを追加する -入力または出力に対して実行するカスタムガードレールを定義できます。 +入力または出力に対して実行されるカスタムガードレールを定義できます。 ```python from agents import GuardrailFunctionOutput, Agent, Runner @@ -121,9 +121,9 @@ async def homework_guardrail(ctx, agent, input_data): ) ``` -## すべてを組み合わせる +## すべてをまとめて実行する -ハンドオフと入力ガードレールを使って、すべてを組み合わせたワークフロー全体を実行してみましょう。 +これまでの内容を組み合わせて、ハンドオフと入力ガードレールを使用したワークフロー全体を実行してみましょう。 ```python from agents import Agent, InputGuardrail, GuardrailFunctionOutput, Runner @@ -192,12 +192,12 @@ if __name__ == "__main__": ## トレースを表示する -エージェント実行中に何が起こったかを確認するには、[OpenAI ダッシュボードの Trace viewer](https://platform.openai.com/traces) に移動してエージェント実行のトレースを表示してください。 +エージェント実行中に何が起こったかを確認するには、[OpenAI Dashboard の Trace viewer](https://platform.openai.com/traces) に移動してトレースを表示してください。 ## 次のステップ -より複雑なエージェントフローを構築する方法を学びましょう: +より複雑なエージェントフローの構築方法を学びましょう。 -- [エージェントの設定方法](agents.md) について学びます。 -- [エージェントの実行](running_agents.md) について学びます。 -- [ツール](tools.md)、[ガードレール](guardrails.md)、そして [モデル](models/index.md) について学びます。 \ No newline at end of file +- [Agents](agents.md) の設定方法を学ぶ。 +- [エージェントの実行](running_agents.md) について学ぶ。 +- [tools](tools.md)、[guardrails](guardrails.md)、[models](models/index.md) について学ぶ。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/realtime/guide.md b/docs/ja/realtime/guide.md index 3f3fe8217..d48e5c391 100644 --- a/docs/ja/realtime/guide.md +++ b/docs/ja/realtime/guide.md @@ -4,65 +4,66 @@ search: --- # ガイド -本ガイドでは、 OpenAI Agents SDK の realtime 機能を使用して音声対応の AI エージェントを構築する方法を詳しく説明します。 +このガイドでは、OpenAI Agents SDK のリアルタイム機能を使って音声対応 AI エージェントを構築する方法を詳しく説明します。 !!! warning "ベータ機能" -Realtime エージェントはベータ版です。実装を改良する過程で互換性が壊れる変更が入る可能性があります。 +リアルタイムエージェントはベータ版です。実装の改善に伴い、互換性が壊れる変更が発生する可能性があります。 ## 概要 -Realtime エージェントは、音声とテキスト入力をリアルタイムに処理し、リアルタイム音声で応答することで対話フローを実現します。 OpenAI の Realtime API と永続的に接続を維持し、低レイテンシで自然な音声会話と割り込みへのスムーズな対応を可能にします。 +リアルタイムエージェントは、音声とテキスト入力をリアルタイムで処理し、音声で応答する対話フローを実現します。OpenAI の Realtime API との永続的な接続を維持し、低レイテンシで自然な音声会話を行いながら、割り込みにもスムーズに対応できます。 ## アーキテクチャ ### コアコンポーネント -リアルタイムシステムは、以下の主要コンポーネントで構成されています。 +リアルタイムシステムは、以下の主要コンポーネントで構成されます。 -- **RealtimeAgent**: instructions、tools、handoffs で構成されるエージェントです。 -- **RealtimeRunner**: 設定を管理します。`runner.run()` を呼び出すことでセッションを取得できます。 -- **RealtimeSession**: 1 回の対話セッションを表します。ユーザーが会話を開始するたびに作成し、会話が終了するまで保持します。 -- **RealtimeModel**: 基盤となるモデルインターフェース(通常は OpenAI の WebSocket 実装) +- **RealtimeAgent**: instructions、tools、handoffs を設定したエージェント +- **RealtimeRunner**: 設定を管理します。`runner.run()` を呼び出してセッションを取得できます。 +- **RealtimeSession**: 1 回の対話セッション。ユーザーが会話を開始するたびに作成し、会話が終了するまで保持します。 +- **RealtimeModel**: 基盤となるモデルインターフェース(通常は OpenAI の WebSocket 実装) ### セッションフロー 典型的なリアルタイムセッションは次の流れで進みます。 -1. **RealtimeAgent** を instructions、tools、handoffs と共に作成します。 -2. エージェントと各種設定を指定して **RealtimeRunner** をセットアップします。 -3. `await runner.run()` を実行してセッション (**RealtimeSession**) を開始します。 -4. `send_audio()` または `send_message()` を使用して音声またはテキストを送信します。 -5. セッションを反復処理してイベントを受信します。イベントには音声出力、トランスクリプト、ツール呼び出し、ハンドオフ、エラーなどが含まれます。 -6. ユーザーがエージェントの発話中に話し始めた場合は **割り込み** が発生し、現在の音声生成が自動で停止します。 +1. instructions、tools、handoffs を使用して **RealtimeAgent** を作成する +2. エージェントと設定オプションを指定して **RealtimeRunner** をセットアップする +3. `await runner.run()` で **セッションを開始** し、RealtimeSession を受け取る +4. `send_audio()` または `send_message()` で **音声またはテキストメッセージを送信** する +5. セッションをイテレートして **イベントを監視** する + - イベントには音声出力、文字起こし、ツール呼び出し、ハンドオフ、エラーなどが含まれます +6. ユーザーがエージェントの発話を遮った場合に **割り込みを処理** する(現在の音声生成が自動で停止) セッションは会話履歴を保持し、リアルタイムモデルとの永続接続を管理します。 ## エージェント設定 -RealtimeAgent は通常の Agent クラスとほぼ同じですが、いくつか重要な違いがあります。詳細は [`RealtimeAgent`][agents.realtime.agent.RealtimeAgent] API リファレンスをご覧ください。 +RealtimeAgent は通常の Agent クラスとほぼ同じですが、いくつか重要な違いがあります。完全な API 仕様は [`RealtimeAgent`][agents.realtime.agent.RealtimeAgent] リファレンスをご覧ください。 主な違い: -- モデルの選択はエージェントではなくセッション単位で指定します。 -- structured outputs (`outputType`) はサポートされていません。 -- ボイスはエージェントごとに設定できますが、最初のエージェントが話し始めた後は変更できません。 -- tools、handoffs、instructions などその他の機能は通常のエージェントと同様に機能します。 +- モデルの選択はエージェントレベルではなくセッションレベルで設定します。 +- structured outputs(`outputType`)には対応していません。 +- 音声はエージェントごとに設定できますが、最初のエージェントが話し始めた後は変更できません。 +- tools、handoffs、instructions などその他の機能は同じように動作します。 ## セッション設定 ### モデル設定 -セッション設定では基盤となるリアルタイムモデルの挙動を制御できます。モデル名(`gpt-4o-realtime-preview` など)、ボイス(alloy、echo、fable、onyx、nova、shimmer)、対応モダリティ(text / audio)を指定できます。入力・出力の音声フォーマットは PCM16 がデフォルトですが変更可能です。 +セッション設定では基盤となるリアルタイムモデルの動作を制御できます。モデル名(例: `gpt-4o-realtime-preview`)、音声(alloy、echo、fable、onyx、nova、shimmer)や対応モダリティ(テキスト/音声)を指定できます。音声の入出力フォーマットは PCM16 がデフォルトですが、変更可能です。 ### オーディオ設定 -オーディオ設定では音声入力・出力の扱いを制御します。Whisper などのモデルで音声をトランスクリプトし、言語設定やドメイン固有語の精度を上げる transcription prompt を指定できます。ターン検出では、音声活動検出のしきい値、無音継続時間、検出前後のパディングなどを設定して、エージェントがいつ応答を開始・終了すべきかを調整します。 +オーディオ設定では、音声入力と出力の扱いを制御します。Whisper などのモデルを使った音声入力の文字起こし、言語の指定、ドメイン固有語句の精度を高めるための transcription prompts を設定できます。ターン検出では、音声活動検出の閾値、無音時間、検出前後のパディングなどにより、エージェントが応答を開始・停止するタイミングを調整します。 ## ツールと関数 ### ツールの追加 -通常のエージェントと同様に、Realtime エージェントでも会話中に実行される function tools を追加できます。 +通常のエージェントと同様に、リアルタイムエージェントでも会話中に実行される function tools を利用できます。 ```python from agents import function_tool @@ -90,7 +91,7 @@ agent = RealtimeAgent( ### ハンドオフの作成 -ハンドオフを利用すると、会話を専門エージェントへ引き継げます。 +ハンドオフを使うと、会話を専門化されたエージェント間で引き継げます。 ```python from agents.realtime import realtime_handoff @@ -119,32 +120,32 @@ main_agent = RealtimeAgent( ## イベント処理 -セッションを反復処理することでストリーミングされるイベントを監視できます。主なイベントは以下のとおりです。 +セッションはストリーミングでイベントを送信するため、セッションオブジェクトをイテレートして受け取ります。主なイベント: -- **audio**: エージェント応答の raw 音声データ -- **audio_end**: エージェントの発話終了 -- **audio_interrupted**: ユーザーによる割り込み発話 -- **tool_start / tool_end**: ツール実行の開始・終了 -- **handoff**: エージェント間のハンドオフ発生 -- **error**: 処理中に発生したエラー +- **audio**: エージェントの応答からの raw 音声データ +- **audio_end**: エージェントの発話が終了 +- **audio_interrupted**: ユーザーがエージェントの発話を遮った +- **tool_start/tool_end**: ツール実行の開始/終了 +- **handoff**: エージェントのハンドオフが発生 +- **error**: 処理中にエラーが発生 詳細は [`RealtimeSessionEvent`][agents.realtime.events.RealtimeSessionEvent] を参照してください。 ## ガードレール -Realtime エージェントでは出力ガードレールのみサポートされます。パフォーマンス維持のため、ガードレールはデバウンスされて定期的に(すべての単語ではなく)評価されます。デフォルトのデバウンス長は 100 文字ですが、変更可能です。 +リアルタイムエージェントでは出力ガードレールのみサポートされます。リアルタイム生成中のパフォーマンスを保つためにデバウンスされ、毎回の単語ではなく一定間隔で実行されます。デフォルトのデバウンス長は 100 文字ですが、設定で変更できます。 -ガードレールが発火すると `guardrail_tripped` イベントが生成され、エージェントの現在の応答が中断される場合があります。リアルタイム性能と安全性を両立させるための挙動です。テキストエージェントと異なり、Realtime エージェントではガードレール発火時に Exception は送出されません。 +ガードレールが発動すると `guardrail_tripped` イベントが生成され、エージェントの現在の応答を割り込むことがあります。デバウンスにより、安全性とリアルタイム性能のバランスを取ります。テキストエージェントと異なり、リアルタイムエージェントではガードレール発動時に Exception は発生しません。 ## オーディオ処理 -[`session.send_audio(audio_bytes)`][agents.realtime.session.RealtimeSession.send_audio] で音声を、[`session.send_message()`][agents.realtime.session.RealtimeSession.send_message] でテキストをセッションに送信できます。 +音声を送信するには [`session.send_audio(audio_bytes)`][agents.realtime.session.RealtimeSession.send_audio]、テキストを送るには [`session.send_message()`][agents.realtime.session.RealtimeSession.send_message] を使用します。 -音声出力を再生するには、`audio` イベントを監視して取得したデータをお好みのオーディオライブラリで再生してください。ユーザーが割り込んだ際には `audio_interrupted` イベントを受信して即座に再生を停止し、キューに溜まった音声をクリアする必要があります。 +音声出力を取得するには `audio` イベントを受け取り、任意のオーディオライブラリで再生してください。`audio_interrupted` イベントを監視し、ユーザーが割り込んだ際は直ちに再生を停止し、キューにある音声をクリアします。 -## 直接モデルへアクセス +## モデルへの直接アクセス -より低レベルの制御やカスタムリスナー追加など、高度な用途では基盤モデルへ直接アクセスできます。 +低レベルの制御が必要な高度なユースケースでは、基盤モデルに直接アクセスし、カスタムリスナーを追加できます。 ```python # Add a custom listener to the model @@ -153,6 +154,6 @@ session.model.add_listener(my_custom_listener) これにより、[`RealtimeModel`][agents.realtime.model.RealtimeModel] インターフェースを直接操作できます。 -## 例 +## コード例 -動作する完全なサンプルは、[examples/realtime ディレクトリ](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/realtime) をご覧ください。 UI あり/なしのデモが含まれています。 \ No newline at end of file +動作する完全なサンプルは、[examples/realtime ディレクトリ](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/realtime) をご覧ください。UI 付き・なしのデモが含まれています。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/realtime/quickstart.md b/docs/ja/realtime/quickstart.md index cad94d19c..57e6a0c16 100644 --- a/docs/ja/realtime/quickstart.md +++ b/docs/ja/realtime/quickstart.md @@ -4,26 +4,26 @@ search: --- # クイックスタート -Realtime エージェントを使用すると、OpenAI の Realtime API を介して AI エージェントとの音声会話が可能になります。本ガイドでは、初めてのリアルタイム音声エージェントの作成手順を説明します。 +リアルタイム エージェントを使用すると、OpenAI の Realtime API を利用して AI エージェントとの音声会話が可能になります。このガイドでは、初めてのリアルタイム音声エージェントの作成方法を説明します。 !!! warning "Beta feature" -Realtime エージェントはベータ版です。実装を改善する過程で破壊的変更が発生する可能性があります。 +リアルタイム エージェントはベータ版です。実装を改善する過程で破壊的変更が入る可能性があります。 ## 前提条件 -- Python 3.9 以上 -- OpenAI API キー -- OpenAI Agents SDK の基本的な知識 +- Python 3.9 以上 +- OpenAI API キー +- OpenAI Agents SDK への基本的な習熟 ## インストール -まだインストールしていない場合は、OpenAI Agents SDK をインストールしてください: +まだインストールしていない場合は、OpenAI Agents SDK をインストールします: ```bash pip install openai-agents ``` -## 最初のリアルタイム エージェントの作成 +## 初めてのリアルタイム エージェントの作成 ### 1. 必要なコンポーネントのインポート @@ -32,7 +32,7 @@ import asyncio from agents.realtime import RealtimeAgent, RealtimeRunner ``` -### 2. リアルタイム エージェントの作成 +### 2. リアルタイム エージェントを作成 ```python agent = RealtimeAgent( @@ -41,7 +41,7 @@ agent = RealtimeAgent( ) ``` -### 3. Runner の設定 +### 3. ランナーを設定 ```python runner = RealtimeRunner( @@ -56,7 +56,7 @@ runner = RealtimeRunner( ) ``` -### 4. セッションの開始 +### 4. セッションを開始 ```python async def main(): @@ -139,40 +139,40 @@ if __name__ == "__main__": ### モデル設定 -- `model_name`: 利用可能なリアルタイムモデルから選択します(例: `gpt-4o-realtime-preview`) -- `voice`: 音声を選択します (`alloy`, `echo`, `fable`, `onyx`, `nova`, `shimmer`) -- `modalities`: テキストおよび/またはオーディオを有効化します (`["text", "audio"]`) +- `model_name`: 利用可能なリアルタイムモデルから選択します (例: `gpt-4o-realtime-preview`) +- `voice`: 音声を選択します (`alloy`, `echo`, `fable`, `onyx`, `nova`, `shimmer`) +- `modalities`: テキストおよび/またはオーディオを有効にします (`["text", "audio"]`) ### オーディオ設定 -- `input_audio_format`: 入力オーディオの形式 (`pcm16`, `g711_ulaw`, `g711_alaw`) -- `output_audio_format`: 出力オーディオの形式 -- `input_audio_transcription`: 文字起こしの設定 +- `input_audio_format`: 入力オーディオのフォーマット (`pcm16`, `g711_ulaw`, `g711_alaw`) +- `output_audio_format`: 出力オーディオのフォーマット +- `input_audio_transcription`: 文字起こしの設定 ### ターン検出 -- `type`: 検出方法 (`server_vad`, `semantic_vad`) -- `threshold`: 音声アクティビティしきい値 (0.0-1.0) -- `silence_duration_ms`: ターン終了を検出する無音時間 -- `prefix_padding_ms`: 発話前のオーディオパディング +- `type`: 検出方法 (`server_vad`, `semantic_vad`) +- `threshold`: 音声アクティビティの閾値 (0.0–1.0) +- `silence_duration_ms`: ターン終了を検出する無音時間 +- `prefix_padding_ms`: 発話前のオーディオパディング ## 次のステップ -- [Realtime エージェントについてさらに学ぶ](guide.md) -- [examples/realtime](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/realtime) フォルダーにある動作するコード例を確認してください -- エージェントにツールを追加する -- エージェント間のハンドオフを実装する -- 安全性のためのガードレールを設定する +- [リアルタイム エージェントについてさらに学ぶ](guide.md) +- [examples/realtime](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/realtime) フォルダーにある動作するコード例を参照してください +- エージェントに tools を追加する +- エージェント間のハンドオフを実装する +- 安全のためにガードレールを設定する ## 認証 -OpenAI API キーが環境に設定されていることを確認してください: +OpenAI API キーが環境変数に設定されていることを確認してください: ```bash export OPENAI_API_KEY="your-api-key-here" ``` -またはセッション作成時に直接渡します: +あるいは、セッション作成時に直接渡します: ```python session = await runner.run(model_config={"api_key": "your-api-key"}) diff --git a/docs/ja/release.md b/docs/ja/release.md index 47f3b5613..7a06e2505 100644 --- a/docs/ja/release.md +++ b/docs/ja/release.md @@ -4,29 +4,29 @@ search: --- # リリースプロセス/変更履歴 -プロジェクトでは、 `0.Y.Z` 形式を用いたセマンティックバージョニングのやや変更されたバージョンを採用しています。先頭の `0` は SDK がまだ急速に進化していることを示します。各コンポーネントの増分規則は以下のとおりです。 +本プロジェクトでは、`0.Y.Z` 形式のわずかに変更した semantic versioning を採用しています。先頭の `0` は SDK が依然として急速に進化していることを示します。各コンポーネントは次のように増分します。 ## マイナー ( `Y` ) バージョン -ベータでない公開インターフェースに **互換性を壊す変更 (breaking changes)** が入る場合、マイナーバージョン `Y` を増やします。たとえば `0.0.x` から `0.1.x` への更新には互換性を壊す変更が含まれることがあります。 +beta でないパブリックインターフェースに対する breaking changes がある場合、マイナーバージョン `Y` を増やします。たとえば、`0.0.x` から `0.1.x` への更新では互換性のない変更が含まれる可能性があります。 -互換性を壊す変更を避けたい場合は、プロジェクトで `0.0.x` 系にバージョンを固定することを推奨します。 +breaking changes を避けたい場合は、プロジェクトで `0.0.x` バージョンに固定することを推奨します。 ## パッチ ( `Z` ) バージョン -互換性を壊さない変更では `Z` を増やします。 +非互換性のない変更の場合に `Z` を増やします。 -- バグ修正 +- Bug fixes - 新機能 -- プライベートインターフェースの変更 -- ベータ機能の更新 +- プライベートインターフェースへの変更 +- beta 機能の更新 -## 互換性を壊す変更の変更履歴 +## 互換性のない変更履歴 ### 0.2.0 -このバージョンでは、これまで `Agent` を引数に取っていたいくつかの箇所が、代わりに `AgentBase` を引数に取るようになりました。例としては MCP サーバーの `list_tools()` 呼び出しなどです。型に関する変更のみであり、受け取るオブジェクトは引き続き `Agent` です。更新する際は、型エラーを解消するために `Agent` を `AgentBase` に置き換えてください。 +このバージョンでは、以前は引数として `Agent` を受け取っていたいくつかの箇所が、代わりに `AgentBase` を受け取るようになりました。たとえば MCP サーバーの `list_tools()` 呼び出しです。これは型の変更のみであり、実際に受け取るオブジェクトは依然として `Agent` です。アップデートするには、`Agent` を `AgentBase` に置き換えて型エラーを修正してください。 ### 0.1.0 -このバージョンでは、[`MCPServer.list_tools()`][agents.mcp.server.MCPServer] に新しいパラメーター `run_context` と `agent` が追加されました。`MCPServer` を継承するクラスでは、これらのパラメーターを追加する必要があります。 \ No newline at end of file +このバージョンでは、[`MCPServer.list_tools()`][agents.mcp.server.MCPServer] に新しいパラメーター `run_context` と `agent` が追加されました。`MCPServer` を継承しているすべてのクラスにこれらのパラメーターを追加する必要があります。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/repl.md b/docs/ja/repl.md index b72953e49..d6e383bb9 100644 --- a/docs/ja/repl.md +++ b/docs/ja/repl.md @@ -4,7 +4,7 @@ search: --- # REPL ユーティリティ -この SDK は、簡単にインタラクティブにテストできる `run_demo_loop` を提供しています。 +SDK は、簡易的なインタラクティブテスト用に `run_demo_loop` を提供します。 ```python import asyncio @@ -18,4 +18,4 @@ if __name__ == "__main__": asyncio.run(main()) ``` -`run_demo_loop` はループ内で ユーザー への入力プロンプトを表示し、各ターン間の会話履歴を保持します。デフォルトでは、生成されると同時にモデル出力をストリーミングします。ループを終了するには `quit` または `exit` と入力するか、`Ctrl-D` を押してください。 \ No newline at end of file +`run_demo_loop` はループでユーザー入力を促し、ターン間の会話履歴を保持します。デフォルトでは、生成されたモデル出力をストリーミングします。ループを終了するには `quit` または `exit` と入力するか(または `Ctrl-D` を押してください)。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/results.md b/docs/ja/results.md index 5870ac833..b44669bc8 100644 --- a/docs/ja/results.md +++ b/docs/ja/results.md @@ -2,50 +2,49 @@ search: exclude: true --- -# 実行結果 +# 結果 -`Runner.run` メソッドを呼び出すと、返される値は次のいずれかです。 +` Runner.run ` メソッドを呼び出すと、戻り値は次のいずれかになります。 -- [`RunResult`][agents.result.RunResult] を返すのは `run` もしくは `run_sync` を呼び出した場合 -- [`RunResultStreaming`][agents.result.RunResultStreaming] を返すのは `run_streamed` を呼び出した場合 +- [`RunResult`][agents.result.RunResult] ( `run` または `run_sync` を呼び出した場合) +- [`RunResultStreaming`][agents.result.RunResultStreaming] ( `run_streamed` を呼び出した場合) -これらはいずれも [`RunResultBase`][agents.result.RunResultBase] を継承しており、ほとんどの有用な情報はここに含まれています。 +どちらも [`RunResultBase`][agents.result.RunResultBase] を継承しており、ほとんどの有用な情報はここに含まれています。 ## 最終出力 -[`final_output`][agents.result.RunResultBase.final_output] プロパティには、最後に実行された エージェント からの最終出力が入っています。内容は次のいずれかです。 +[`final_output`][agents.result.RunResultBase.final_output] プロパティには、最後に実行されたエージェントの最終出力が入っています。内容は次のいずれかです。 -- 最後の エージェント に `output_type` が定義されていない場合は `str` -- エージェント に `output_type` が定義されている場合は `last_agent.output_type` 型のオブジェクト +- 最後のエージェントに `output_type` が定義されていない場合は `str` +- エージェントに `output_type` が定義されている場合は `last_agent.output_type` 型のオブジェクト !!! note + `final_output` の型は `Any` です。ハンドオフが発生する可能性があるため静的に型付けできません。ハンドオフが発生した場合、どのエージェントが最後になるか分からないため、可能な出力型の集合を静的に知ることはできません。 - `final_output` の型は `Any` です。ハンドオフが発生する可能性があるため、静的型付けはできません。ハンドオフが起こると、どの エージェント が最後になるか分からないため、可能な出力型の集合を静的に特定できないのです。 +## 次のターンへの入力 -## 次のターン用入力 +[`result.to_input_list()`][agents.result.RunResultBase.to_input_list] を使うと、元の入力とエージェント実行中に生成されたアイテムを連結して入力リストを作成できます。これにより、一度のエージェント実行の出力を別の実行に渡したり、ループで実行して毎回新しいユーザー入力を追加したりするのが簡単になります。 -[`result.to_input_list()`][agents.result.RunResultBase.to_input_list] を使うと、実行時に生成されたアイテムを元の入力と連結した入力リストに変換できます。これにより、ある エージェント の実行結果をそのまま別の実行に渡したり、ループで実行して毎回新しい ユーザー 入力を追加したりするのが簡単になります。 +## 最後のエージェント -## 最後に実行されたエージェント +[`last_agent`][agents.result.RunResultBase.last_agent] プロパティには、最後に実行されたエージェントが入っています。アプリケーションによっては、ユーザーが次に入力する際にこれを再利用すると便利です。たとえば、最初にフロントラインのトリアージエージェントが言語別エージェントへハンドオフする場合、最後のエージェントを保存しておけば、ユーザーが次にメッセージを送ったときに再利用できます。 -[`last_agent`][agents.result.RunResultBase.last_agent] プロパティには、最後に実行された エージェント が入っています。アプリケーションによっては、これは次回 ユーザー が入力を送ってきたときに便利です。たとえば、一次トリアージを行い言語別 エージェント へハンドオフするフロントライン エージェント がいる場合、最後の エージェント を保存しておけば、次回のメッセージで再利用できます。 +## 新規アイテム -## 新しく生成されたアイテム +[`new_items`][agents.result.RunResultBase.new_items] プロパティには、実行中に生成された新しいアイテムが入っています。アイテムは [`RunItem`][agents.items.RunItem] でラップされており、LLM が生成した生のアイテムを保持します。 -[`new_items`][agents.result.RunResultBase.new_items] プロパティには、実行中に生成された新しいアイテムが入っています。アイテムは [`RunItem`][agents.items.RunItem] でラップされており、その中に LLM が生成した raw アイテムが含まれます。 - -- [`MessageOutputItem`][agents.items.MessageOutputItem] は LLM からのメッセージを表します。raw アイテムは生成されたメッセージです。 -- [`HandoffCallItem`][agents.items.HandoffCallItem] は LLM がハンドオフツールを呼び出したことを示します。raw アイテムは LLM からのツール呼び出しアイテムです。 -- [`HandoffOutputItem`][agents.items.HandoffOutputItem] はハンドオフが発生したことを示します。raw アイテムはハンドオフツール呼び出しへのツール応答です。また、アイテムからソース / ターゲット エージェント にもアクセスできます。 +- [`MessageOutputItem`][agents.items.MessageOutputItem] は LLM からのメッセージを示します。生のアイテムは生成されたメッセージです。 +- [`HandoffCallItem`][agents.items.HandoffCallItem] は LLM がハンドオフツールを呼び出したことを示します。生のアイテムはツールコールアイテムです。 +- [`HandoffOutputItem`][agents.items.HandoffOutputItem] はハンドオフが発生したことを示します。生のアイテムはハンドオフツールコールへのツール応答です。アイテムからソース/ターゲットエージェントにもアクセスできます。 - [`ToolCallItem`][agents.items.ToolCallItem] は LLM がツールを呼び出したことを示します。 -- [`ToolCallOutputItem`][agents.items.ToolCallOutputItem] はツールが呼び出されたことを示します。raw アイテムはツール応答です。また、アイテムからツール出力にもアクセスできます。 -- [`ReasoningItem`][agents.items.ReasoningItem] は LLM からの推論アイテムを示します。raw アイテムは生成された推論です。 +- [`ToolCallOutputItem`][agents.items.ToolCallOutputItem] はツールが実行されたことを示します。生のアイテムはツール応答です。ツール出力にもアクセスできます。 +- [`ReasoningItem`][agents.items.ReasoningItem] は LLM からの推論アイテムを示します。生のアイテムは生成された推論です。 ## その他の情報 ### ガードレール結果 -[`input_guardrail_results`][agents.result.RunResultBase.input_guardrail_results] と [`output_guardrail_results`][agents.result.RunResultBase.output_guardrail_results] プロパティには、ガードレールがあればその結果が格納されます。ガードレール結果にはログ出力や保存に役立つ情報が含まれることがあるため、利用できるようにしています。 +[`input_guardrail_results`][agents.result.RunResultBase.input_guardrail_results] と [`output_guardrail_results`][agents.result.RunResultBase.output_guardrail_results] プロパティには、ガードレールの結果(存在する場合)が入っています。ガードレール結果にはログや保存に有用な情報が含まれることがあるため、こちらで参照できます。 ### raw 応答 @@ -53,4 +52,4 @@ search: ### 元の入力 -[`input`][agents.result.RunResultBase.input] プロパティには、`run` メソッドに渡した元の入力が入っています。通常は必要ありませんが、必要に応じて利用できます。 \ No newline at end of file +[`input`][agents.result.RunResultBase.input] プロパティには、 `run` メソッドに渡した元の入力が入っています。通常は必要ありませんが、必要に応じて参照できます。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/running_agents.md b/docs/ja/running_agents.md index 08ef6d888..a26be1478 100644 --- a/docs/ja/running_agents.md +++ b/docs/ja/running_agents.md @@ -4,11 +4,12 @@ search: --- # エージェントの実行 -エージェントは [`Runner`][agents.run.Runner] クラスを介して実行できます。方法は 3 つあります: +エージェントは [`Runner`][agents.run.Runner] クラスを介して実行できます。選択肢は 3 つあります。 -1. [`Runner.run()`][agents.run.Runner.run] — 非同期で実行され、 [`RunResult`][agents.result.RunResult] を返します。 -2. [`Runner.run_sync()`][agents.run.Runner.run_sync] — 同期メソッドで、内部で `.run()` を呼び出します。 -3. [`Runner.run_streamed()`][agents.run.Runner.run_streamed] — 非同期で実行され、 [`RunResultStreaming`][agents.result.RunResultStreaming] を返します。LLM をストリーミングモードで呼び出し、受信したイベントをそのままストリームします。 +1. 非同期で実行し、[`RunResult`][agents.result.RunResult] を返す [`Runner.run()`][agents.run.Runner.run] +2. 同期メソッドで、内部的に `.run()` を実行する [`Runner.run_sync()`][agents.run.Runner.run_sync] +3. 非同期で実行し、[`RunResultStreaming`][agents.result.RunResultStreaming] を返す [`Runner.run_streamed()`][agents.run.Runner.run_streamed] + LLM をストリーミング モードで呼び出し、受信したイベントを逐次配信します。 ```python from agents import Agent, Runner @@ -23,55 +24,55 @@ async def main(): # Infinite loop's dance ``` -詳細は [結果ガイド](results.md) を参照してください。 +詳細は [結果ガイド](results.md) をご覧ください。 ## エージェントループ -`Runner` で `run` メソッドを使用すると、開始エージェントと入力を渡します。入力は文字列 (ユーザー メッセージと見なされます) か、OpenAI Responses API のアイテム リストのいずれかです。 +` Runner ` の run メソッドを使用する際は、開始エージェントと入力を渡します。入力は文字列(ユーザー メッセージと見なされます)または OpenAI Responses API の項目リストのいずれかです。 -`Runner` は次のループを実行します: +Runner は次のループを実行します。 -1. 現在のエージェントに対して、現在の入力を用いて LLM を呼び出します。 +1. 現在のエージェントに対して LLM を呼び出し、現在の入力を渡します。 2. LLM が出力を生成します。 - 1. LLM が `final_output` を返した場合、ループを終了し結果を返します。 - 2. LLM がハンドオフを行った場合、現在のエージェントと入力を更新し、ループを再実行します。 - 3. LLM がツール呼び出しを生成した場合、それらを実行し結果を追加してから、ループを再実行します。 -3. 渡された `max_turns` を超えた場合、 [`MaxTurnsExceeded`][agents.exceptions.MaxTurnsExceeded] 例外を送出します。 + 1. `final_output` が返された場合、ループを終了し結果を返します。 + 2. ハンドオフが発生した場合、現在のエージェントと入力を更新し、ループを再実行します。 + 3. ツール呼び出しが生成された場合、それらを実行し結果を追加してループを再実行します。 +3. 渡された `max_turns` を超えた場合、[`MaxTurnsExceeded`][agents.exceptions.MaxTurnsExceeded] 例外を送出します。 !!! note - LLM の出力が「最終出力」と見なされるルールは、望ましい型のテキスト出力を生成し、ツール呼び出しが 1 つもないことです。 + LLM の出力が「最終出力」と見なされる条件は、望ましい型のテキスト出力を生成し、かつツール呼び出しが存在しない場合です。 ## ストリーミング -ストリーミングを利用すると、LLM 実行中のイベントを逐次受け取れます。ストリーム終了後、 [`RunResultStreaming`][agents.result.RunResultStreaming] には実行に関する完全な情報 (生成されたすべての新しい出力を含む) が格納されます。ストリーミングイベントは `.stream_events()` で取得できます。詳しくは [ストリーミングガイド](streaming.md) を参照してください。 +ストリーミングを利用すると、LLM 実行中のイベントを逐次受け取れます。ストリーム完了後、[`RunResultStreaming`][agents.result.RunResultStreaming] には実行に関する完全な情報(生成されたすべての新規出力を含む)が格納されます。`.stream_events()` を呼び出してストリーミング イベントを取得できます。詳細は [ストリーミング ガイド](streaming.md) を参照してください。 -## 実行設定 +## Run 設定 -`run_config` パラメーターを使って、エージェント実行のグローバル設定を行えます: +` run_config ` パラメーターでエージェント実行のグローバル設定を行えます。 -- [`model`][agents.run.RunConfig.model]: 各エージェントの `model` 設定に関わらず、グローバルで使用する LLM モデルを指定します。 -- [`model_provider`][agents.run.RunConfig.model_provider]: モデル名の検索に用いるモデルプロバイダー。デフォルトは OpenAI です。 -- [`model_settings`][agents.run.RunConfig.model_settings]: エージェント固有の設定を上書きします。例: グローバルで `temperature` や `top_p` を設定。 -- [`input_guardrails`][agents.run.RunConfig.input_guardrails], [`output_guardrails`][agents.run.RunConfig.output_guardrails]: すべての実行に適用する入力または出力ガードレールのリスト。 -- [`handoff_input_filter`][agents.run.RunConfig.handoff_input_filter]: ハンドオフに入力フィルターが設定されていない場合に適用されるグローバル入力フィルター。新しいエージェントへ送る入力を編集できます。詳細は [`Handoff.input_filter`][agents.handoffs.Handoff.input_filter] を参照してください。 -- [`tracing_disabled`][agents.run.RunConfig.tracing_disabled]: 実行全体での [トレーシング](tracing.md) を無効にします。 +- [`model`][agents.run.RunConfig.model]: 各エージェントの `model` 設定に関わらず、使用する LLM モデルをグローバルに指定します。 +- [`model_provider`][agents.run.RunConfig.model_provider]: モデル名を解決するプロバイダー。既定では OpenAI です。 +- [`model_settings`][agents.run.RunConfig.model_settings]: エージェント固有の設定を上書きします。例として `temperature` や `top_p` をグローバルに設定可能です。 +- [`input_guardrails`][agents.run.RunConfig.input_guardrails], [`output_guardrails`][agents.run.RunConfig.output_guardrails]: すべての実行に含める入力/出力ガードレールのリスト。 +- [`handoff_input_filter`][agents.run.RunConfig.handoff_input_filter]: 既に handoff にフィルターが指定されていない場合に適用されるグローバル入力フィルター。新しいエージェントへ送信する入力を編集できます。詳細は [`Handoff.input_filter`][agents.handoffs.Handoff.input_filter] のドキュメントを参照してください。 +- [`tracing_disabled`][agents.run.RunConfig.tracing_disabled]: 実行全体の [トレーシング](tracing.md) を無効にします。 - [`trace_include_sensitive_data`][agents.run.RunConfig.trace_include_sensitive_data]: LLM やツール呼び出しの入出力など、機微情報をトレースに含めるかどうかを設定します。 -- [`workflow_name`][agents.run.RunConfig.workflow_name], [`trace_id`][agents.run.RunConfig.trace_id], [`group_id`][agents.run.RunConfig.group_id]: 実行のトレーシング用にワークフロー名、トレース ID、グループ ID を設定します。少なくとも `workflow_name` の設定を推奨します。グループ ID は複数の実行にわたるトレースをリンクする際に使用できます。 +- [`workflow_name`][agents.run.RunConfig.workflow_name], [`trace_id`][agents.run.RunConfig.trace_id], [`group_id`][agents.run.RunConfig.group_id]: 実行のトレーシング workflow 名、trace ID、trace group ID を設定します。少なくとも `workflow_name` の設定を推奨します。group ID は複数実行にまたがるトレースを関連付けるための任意フィールドです。 - [`trace_metadata`][agents.run.RunConfig.trace_metadata]: すべてのトレースに含めるメタデータ。 -## 会話 / チャットスレッド +## 会話/チャットスレッド -いずれかの `run` メソッドを呼び出すと、1 つ以上のエージェント (つまり 1 回以上の LLM 呼び出し) が実行されますが、チャット会話の論理的には 1 ターンとして扱われます。例: +いずれかの run メソッドを呼び出すと、1 回または複数回のエージェント実行(つまり複数回の LLM 呼び出し)が発生しますが、チャット会話における 1 つの論理ターンを表します。例: -1. ユーザーのターン: ユーザーがテキストを入力 -2. `Runner` の実行: 最初のエージェントが LLM を呼び出しツールを実行、次に 2 番目のエージェントへハンドオフしさらにツールを実行、最後に出力を生成 +1. ユーザー ターン: ユーザーがテキストを入力 +2. Runner 実行: 第 1 エージェントが LLM を呼び出しツールを実行、次に第 2 エージェントへハンドオフし追加のツールを実行、最終出力を生成 -エージェント実行の終了時に、ユーザーへ何を表示するかを選択できます。エージェントが生成したすべての新規アイテムを表示することも、最終出力だけを表示することも可能です。いずれにせよ、ユーザーがフォローアップの質問をした場合は再度 `run` メソッドを呼び出せます。 +エージェント実行後、ユーザーにどの項目を表示するか選択できます。たとえば、エージェントが生成したすべての新規項目を表示することも、最終出力のみを表示することもできます。いずれの場合でも、ユーザーがフォローアップ質問をしたら再度 run メソッドを呼び出せます。 -### 手動での会話管理 +### 手動の会話管理 -次のターンの入力を取得するために、 [`RunResultBase.to_input_list()`][agents.result.RunResultBase.to_input_list] メソッドを使用して会話履歴を手動で管理できます: +[`RunResultBase.to_input_list()`][agents.result.RunResultBase.to_input_list] メソッドを使用して次のターンの入力を取得し、会話履歴を手動で管理できます。 ```python async def main(): @@ -91,9 +92,9 @@ async def main(): # California ``` -### Sessions を用いた自動会話管理 +### Sessions による自動会話管理 -より簡単な方法として、 [Sessions](sessions.md) を使えば `.to_input_list()` を手動で呼び出さずに会話履歴を自動で扱えます: +より簡単な方法として、[Sessions](sessions.md) を使用すると `.to_input_list()` を手動で呼ばずに会話履歴を自動管理できます。 ```python from agents import Agent, Runner, SQLiteSession @@ -116,20 +117,20 @@ async def main(): # California ``` -Sessions は自動的に以下を行います: +Sessions は次を自動で行います。 - 各実行前に会話履歴を取得 -- 各実行後に新しいメッセージを保存 -- 異なるセッション ID ごとに会話を分離して管理 +- 各実行後に新規メッセージを保存 +- 異なるセッション ID ごとに個別の会話を維持 -詳細は [Sessions ドキュメント](sessions.md) を参照してください。 +詳細は [Sessions のドキュメント](sessions.md) を参照してください。 ## 例外 -SDK は特定の状況で例外を送出します。完全な一覧は [`agents.exceptions`][] にあります。概要は次のとおりです: +SDK は特定の場合に例外を送出します。完全な一覧は [`agents.exceptions`][] にあります。概要は次のとおりです。 -- [`AgentsException`][agents.exceptions.AgentsException] — SDK で送出されるすべての例外の基底クラス。 -- [`MaxTurnsExceeded`][agents.exceptions.MaxTurnsExceeded] — 実行が `max_turns` を超えたときに送出。 -- [`ModelBehaviorError`][agents.exceptions.ModelBehaviorError] — モデルが不正な出力 (例: JSON の不備や存在しないツールの使用) を返したときに送出。 -- [`UserError`][agents.exceptions.UserError] — SDK を使用する開発者側の誤りがあったときに送出。 -- [`InputGuardrailTripwireTriggered`][agents.exceptions.InputGuardrailTripwireTriggered], [`OutputGuardrailTripwireTriggered`][agents.exceptions.OutputGuardrailTripwireTriggered] — [ガードレール](guardrails.md) がトリガーされたときに送出。 \ No newline at end of file +- [`AgentsException`][agents.exceptions.AgentsException] : SDK で送出されるすべての例外の基底クラス +- [`MaxTurnsExceeded`][agents.exceptions.MaxTurnsExceeded] : 実行が run メソッドに渡した `max_turns` を超えた場合に送出 +- [`ModelBehaviorError`][agents.exceptions.ModelBehaviorError] : モデルが無効な出力(例: 不正な JSON や存在しないツールの使用)を生成した場合に送出 +- [`UserError`][agents.exceptions.UserError] : SDK を使用するコードの記述者が誤った使い方をした場合に送出 +- [`InputGuardrailTripwireTriggered`][agents.exceptions.InputGuardrailTripwireTriggered], [`OutputGuardrailTripwireTriggered`][agents.exceptions.OutputGuardrailTripwireTriggered] : [ガードレール](guardrails.md) がトリップした際に送出 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/sessions.md b/docs/ja/sessions.md index 3529900ce..cb006fedc 100644 --- a/docs/ja/sessions.md +++ b/docs/ja/sessions.md @@ -4,9 +4,9 @@ search: --- # セッション -Agents SDK には組み込みのセッションメモリがあり、複数回のエージェント実行をまたいで会話履歴を自動的に維持します。そのため、ターン間で `.to_input_list()` を手動で扱う必要がありません。 +Agents SDK には組み込みのセッションメモリーがあり、複数回のエージェント実行にわたって会話履歴を自動的に保持します。これにより、ターンごとに `.to_input_list()` を手動で扱う必要がなくなります。 -Sessions は特定のセッションの会話履歴を保存し、明示的なメモリ管理を行わなくてもエージェントがコンテキストを維持できるようにします。これは、エージェントに過去のやり取りを覚えさせたいチャットアプリケーションやマルチターンの会話を構築する際に特に便利です。 +Sessions は特定のセッションに対して会話履歴を保存し、エージェントが明示的なメモリー管理なしでコンテキストを維持できるようにします。チャットアプリケーションやマルチターンの会話で、エージェントに前回の対話内容を覚えさせたい場合に特に便利です。 ## クイックスタート @@ -49,19 +49,19 @@ print(result.final_output) # "Approximately 39 million" ## 仕組み -セッションメモリを有効にすると、次の処理が行われます。 +セッションメモリーが有効な場合: -1. **各実行前**: Runner は自動的にそのセッションの会話履歴を取得し、入力アイテムの先頭に追加します。 -2. **各実行後**: 実行中に生成された新しいアイテム(ユーザー入力、アシスタントの応答、ツール呼び出しなど)がすべて自動的にセッションに保存されます。 -3. **コンテキストの保持**: 同じセッションでの後続の実行では、完全な会話履歴が含まれるため、エージェントがコンテキストを維持できます。 +1. **各実行前**: Runner はそのセッションの会話履歴を自動的に取得し、入力アイテムの先頭に追加します。 +2. **各実行後**: 実行中に生成された新しいアイテム (ユーザー入力、アシスタントの応答、ツール呼び出しなど) がすべて自動的にセッションに保存されます。 +3. **コンテキスト維持**: 同じセッションでの後続の実行には完全な会話履歴が含まれるため、エージェントはコンテキストを保持できます。 これにより、`.to_input_list()` を手動で呼び出したり、実行間で会話状態を管理したりする必要がなくなります。 -## メモリ操作 +## メモリー操作 ### 基本操作 -Sessions では、会話履歴を管理するために次の操作が利用できます。 +Sessions では会話履歴を管理するためのさまざまな操作がサポートされています: ```python from agents import SQLiteSession @@ -86,9 +86,9 @@ print(last_item) # {"role": "assistant", "content": "Hi there!"} await session.clear_session() ``` -### pop_item を使った修正 +### 修正のための pop_item の使用 -`pop_item` メソッドは、会話の最後のアイテムを取り消したり変更したりしたい場合に特に役立ちます。 +`pop_item` メソッドは、会話の最後のアイテムを取り消したり修正したりしたい場合に特に便利です: ```python from agents import Agent, Runner, SQLiteSession @@ -117,16 +117,16 @@ result = await Runner.run( print(f"Agent: {result.final_output}") ``` -## メモリオプション +## メモリーオプション -### メモリなし(デフォルト) +### メモリーなし(デフォルト) ```python # Default behavior - no session memory result = await Runner.run(agent, "Hello") ``` -### SQLite メモリ +### SQLite メモリー ```python from agents import SQLiteSession @@ -168,9 +168,9 @@ result2 = await Runner.run( ) ``` -## カスタムメモリ実装 +## カスタムメモリー実装 -[`Session`][agents.memory.session.Session] プロトコルに従うクラスを作成することで、独自のセッションメモリを実装できます。 +独自のセッションメモリーを実装する場合は、[`Session`][agents.memory.session.Session] プロトコルに従うクラスを作成してください: ````python from agents.memory import Session diff --git a/docs/ja/streaming.md b/docs/ja/streaming.md index 0a3b6e735..f765a06ef 100644 --- a/docs/ja/streaming.md +++ b/docs/ja/streaming.md @@ -4,15 +4,15 @@ search: --- # ストリーミング -ストリーミング を利用すると、 エージェント の実行中に発生する更新を購読できます。これにより、エンドユーザーへ進捗状況や部分的な応答を表示するのに役立ちます。 +ストリーミングを使用すると、エージェントの実行が進行するにつれて、その更新情報を購読できます。これは、エンドユーザーに進捗状況や途中経過のレスポンスを表示する際に役立ちます。 -ストリーミング を行うには、 [`Runner.run_streamed()`][agents.run.Runner.run_streamed] を呼び出します。これにより [`RunResultStreaming`][agents.result.RunResultStreaming] が返されます。その後、 `result.stream_events()` を呼び出すと、後述する [`StreamEvent`][agents.stream_events.StreamEvent] オブジェクトの非同期ストリームを取得できます。 +ストリーミングを行うには、 `Runner.run_streamed()` を呼び出します。これにより `RunResultStreaming` が返されます。続いて `result.stream_events()` を呼び出すと、 `StreamEvent` オブジェクトの async ストリームが取得できます。これらは後述します。 -## raw 応答イベント +## Raw response イベント -[`RawResponsesStreamEvent`][agents.stream_events.RawResponsesStreamEvent] は、 LLM から直接渡される raw イベントです。これらは OpenAI Responses API 形式であり、各イベントには `response.created`、`response.output_text.delta` などの type と data が含まれます。生成された直後の応答メッセージを ユーザー にストリーム配信したい場合に便利です。 +`RawResponsesStreamEvent` は、 LLM から直接渡される raw イベントです。これらは OpenAI Responses API フォーマットであり、各イベントにはタイプ( `response.created` 、 `response.output_text.delta` など)とデータが含まれます。生成された直後にレスポンスメッセージをユーザーにストリーミングしたい場合に便利です。 -例えば、次のコードは LLM が生成するテキストをトークンごとに出力します。 +たとえば、以下のコードは LLM が生成したテキストをトークンごとに出力します。 ```python import asyncio @@ -35,11 +35,11 @@ if __name__ == "__main__": asyncio.run(main()) ``` -## Run item イベントと エージェント イベント +## Run item イベントとエージェントイベント -[`RunItemStreamEvent`][agents.stream_events.RunItemStreamEvent] は、より高レベルなイベントです。アイテムが完全に生成されたタイミングを通知します。これにより、トークン単位ではなく「メッセージが生成された」「ツールが実行された」といった粒度で進捗を ユーザー に配信できます。同様に、 [`AgentUpdatedStreamEvent`][agents.stream_events.AgentUpdatedStreamEvent] は現在の エージェント が変更された際(たとえば ハンドオフ の結果)に更新を通知します。 +`RunItemStreamEvent` は、より高レベルのイベントです。アイテムが完全に生成されたタイミングを通知します。これにより、トークンごとの更新ではなく「メッセージが生成された」「ツールが実行された」などの粒度で進捗をユーザーに伝えられます。同様に、 `AgentUpdatedStreamEvent` は、ハンドオフの結果などで現在のエージェントが変化した際に更新を通知します。 -例えば、次のコードは raw イベントを無視し、 ユーザー に対して更新のみをストリーム配信します。 +例として、以下のコードは raw イベントを無視し、ユーザーへ更新のみをストリーミングします。 ```python import asyncio diff --git a/docs/ja/tools.md b/docs/ja/tools.md index 72d4f42b9..b6b2b1de1 100644 --- a/docs/ja/tools.md +++ b/docs/ja/tools.md @@ -4,23 +4,23 @@ search: --- # ツール -エージェントはツールを利用することで、データの取得、コードの実行、外部 API の呼び出し、さらにはコンピュータ操作まで多彩なアクションを実行できます。Agents SDK には次の 3 つのツールクラスがあります。 +ツールはエージェントに行動を取らせるための手段です。例えばデータの取得、コードの実行、外部 API の呼び出し、さらにはコンピュータ操作などが可能になります。Agents SDK には 3 種類のツールがあります。 -- Hosted ツール: これらは LLM サーバー上で AI モデルと並行して動作します。OpenAI は retrieval、Web 検索、コンピュータ操作 を Hosted ツールとして提供しています。 -- Function calling: 任意の Python 関数をツールとして利用できます。 -- Agents as tools: エージェント自体をツール化することで、ハンドオフすることなくエージェント同士を呼び出せます。 +- ホスト型ツール: これらは LLM サーバー上で AI モデルと並行して動作します。OpenAI は retrieval、Web 検索、コンピュータ操作をホスト型ツールとして提供しています。 +- Function calling: 任意の Python 関数をツールとして使用できます。 +- エージェントをツールとして使用: ハンドオフを行わずに、エージェント同士が相互に呼び出せるようにします。 -## Hosted ツール +## ホスト型ツール OpenAI は [`OpenAIResponsesModel`][agents.models.openai_responses.OpenAIResponsesModel] を使用する際に、いくつかの組み込みツールを提供しています。 -- [`WebSearchTool`][agents.tool.WebSearchTool] により、エージェントは Web 検索 を実行できます。 -- [`FileSearchTool`][agents.tool.FileSearchTool] は OpenAI ベクトルストアから情報を取得します。 -- [`ComputerTool`][agents.tool.ComputerTool] はコンピュータ操作タスクを自動化します。 -- [`CodeInterpreterTool`][agents.tool.CodeInterpreterTool] は LLM がサンドボックス環境でコードを実行できます。 -- [`HostedMCPTool`][agents.tool.HostedMCPTool] はリモート MCP サーバーのツールをモデルへ公開します。 -- [`ImageGenerationTool`][agents.tool.ImageGenerationTool] はプロンプトから画像を生成します。 -- [`LocalShellTool`][agents.tool.LocalShellTool] はローカルマシンでシェルコマンドを実行します。 +- [`WebSearchTool`][agents.tool.WebSearchTool] はエージェントに Web 検索を行わせます。 +- [`FileSearchTool`][agents.tool.FileSearchTool] は OpenAI ベクトルストアから情報を取得します。 +- [`ComputerTool`][agents.tool.ComputerTool] はコンピュータ操作タスクを自動化します。 +- [`CodeInterpreterTool`][agents.tool.CodeInterpreterTool] はサンドボックス環境でコードを実行します。 +- [`HostedMCPTool`][agents.tool.HostedMCPTool] はリモート MCP サーバーのツールをモデルに公開します。 +- [`ImageGenerationTool`][agents.tool.ImageGenerationTool] はプロンプトから画像を生成します。 +- [`LocalShellTool`][agents.tool.LocalShellTool] はローカルマシンでシェルコマンドを実行します。 ```python from agents import Agent, FileSearchTool, Runner, WebSearchTool @@ -43,14 +43,14 @@ async def main(): ## Function tools -任意の Python 関数をそのままツールとして利用できます。Agents SDK が自動で設定を行います。 +任意の Python 関数をツールとして使用できます。Agents SDK が自動的に設定を行います。 -- ツール名には Python 関数名が使用されます (別名を指定することも可能)。 -- ツール説明は関数の docstring から取得されます (カスタム説明も可)。 -- 関数の引数から自動で入力スキーマを生成します。 -- 各入力の説明は docstring から取得されます (無効化も可能)。 +- ツール名は Python 関数名になります(または名前を指定可能)。 +- ツールの説明は関数の docstring から取得されます(または説明を指定可能)。 +- 関数の引数から入力スキーマが自動生成されます。 +- 各入力の説明は docstring から取得されます(無効化可)。 -Python の `inspect` モジュールで関数シグネチャを抽出し、[`griffe`](https://mkdocstrings.github.io/griffe/) で docstring を解析し、`pydantic` でスキーマを生成しています。 +関数シグネチャの抽出には Python の `inspect` モジュールを使用し、docstring の解析には [`griffe`](https://mkdocstrings.github.io/griffe/)、スキーマ作成には `pydantic` を使用しています。 ```python import json @@ -102,12 +102,12 @@ for tool in agent.tools: ``` -1. 引数には任意の Python 型を使用でき、同期/非同期どちらの関数もサポートします。 -2. docstring があれば、ツールおよび引数の説明を取得します。 -3. 関数の最初の引数に `context` を受け取ることができ、ツール名や説明、docstring スタイルなどのオーバーライドも設定可能です。 -4. デコレートした関数を tools のリストに渡すだけで利用できます。 +1. 引数には任意の Python 型を使用でき、関数は sync / async いずれでも構いません。 +2. docstring があれば、説明や引数の説明を取得します。 +3. 関数の最初の引数として `context` を取ることができます。また、ツール名や説明、docstring スタイルなどのオーバーライドも設定可能です。 +4. デコレーターを付けた関数をツールのリストに渡せます。 -??? note "出力を展開して表示" +??? note "出力を表示" ``` fetch_weather @@ -177,14 +177,14 @@ for tool in agent.tools: } ``` -### カスタム function ツール +### カスタム Function tool -Python 関数を使わずに [`FunctionTool`][agents.tool.FunctionTool] を直接作成することもできます。その場合、次を指定してください。 +Python 関数をそのままツールとして使いたくない場合は、[`FunctionTool`][agents.tool.FunctionTool] を直接作成できます。必要なものは以下のとおりです。 -- `name` -- `description` -- `params_json_schema` ― 引数の JSON スキーマ -- `on_invoke_tool` ― [`ToolContext`][agents.tool_context.ToolContext] と引数(JSON 文字列)を受け取り、ツール出力を文字列で返す async 関数 +- `name` +- `description` +- `params_json_schema` : 引数の JSON スキーマ +- `on_invoke_tool` : [`ToolContext`][agents.tool_context.ToolContext] と引数(JSON 文字列)を受け取り、ツール出力を文字列で返す async 関数 ```python from typing import Any @@ -219,16 +219,16 @@ tool = FunctionTool( ### 引数と docstring の自動解析 -前述のとおり、関数シグネチャを解析してスキーマを生成し、docstring からツール説明や各引数の説明を抽出します。ポイントは以下のとおりです。 +前述のとおり、関数シグネチャを解析してツールのスキーマを生成し、docstring を解析してツールおよび各引数の説明を取得します。ポイントは次のとおりです。 -1. `inspect` モジュールでシグネチャを解析し、型アノテーションから Pydantic モデルを動的に生成します。Python の基本型、Pydantic モデル、TypedDict など大半の型をサポートします。 -2. `griffe` で docstring を解析します。サポートする形式は `google`、`sphinx`、`numpy` です。自動判定はベストエフォートのため、`function_tool` 呼び出し時に明示設定もできます。`use_docstring_info` を `False` にすると解析を無効化できます。 +1. シグネチャ解析は `inspect` モジュールで行います。型アノテーションを利用して引数の型を理解し、Pydantic モデルを動的に構築してスキーマを表現します。Python プリミティブ、Pydantic モデル、TypedDict などほとんどの型をサポートします。 +2. docstring の解析には `griffe` を使用します。サポートされる docstring 形式は `google`、`sphinx`、`numpy` です。自動判定を試みますが、`function_tool` 呼び出し時に明示的に指定することもできます。`use_docstring_info` を `False` に設定すると docstring 解析を無効化できます。 スキーマ抽出のコードは [`agents.function_schema`][] にあります。 -## Agents as tools +## エージェントをツールとして使用 -ワークフローによっては、複数の専門エージェントを中央のエージェントがオーケストレーションする方が便利な場合があります。その際、エージェントをツールとして扱うことでハンドオフせずに実現できます。 +ワークフローによっては、ハンドオフせずに中央のエージェントが専門エージェント群をオーケストレーションしたい場合があります。その際、エージェントをツールとしてモデル化できます。 ```python from agents import Agent, Runner @@ -267,9 +267,9 @@ async def main(): print(result.final_output) ``` -### ツール化エージェントのカスタマイズ +### ツール化したエージェントのカスタマイズ -`agent.as_tool` はエージェントを手軽にツール化するためのヘルパーです。ただし `max_turns` などすべての設定をサポートしているわけではありません。高度な構成が必要な場合は、ツール実装内で `Runner.run` を直接呼び出してください。 +`agent.as_tool` はエージェントを簡単にツール化するための便利メソッドです。ただし、すべての設定をサポートしているわけではありません。例えば `max_turns` は設定できません。高度なユースケースでは、ツール実装内で `Runner.run` を直接使用してください。 ```python @function_tool @@ -290,13 +290,13 @@ async def run_my_agent() -> str: ### 出力のカスタム抽出 -ツール化したエージェントの出力を中央エージェントへ返す前に加工したいケースがあります。たとえば以下のような場合です。 +場合によっては、中央エージェントに返す前にツール化したエージェントの出力を加工したいことがあります。例えば次のようなケースです。 -- チャット履歴から特定の情報 (例: JSON ペイロード) のみを抽出したい。 -- Markdown をプレーンテキストや CSV に変換するなど、最終回答のフォーマットを変更したい。 -- レスポンスが欠落・不正な場合に検証やフォールバック値を設定したい。 +- サブエージェントのチャット履歴から特定の情報(例: JSON ペイロード)を抽出したい。 +- エージェントの最終回答を別形式に変換したい(例: Markdown → プレーンテキストや CSV)。 +- 出力を検証し、欠損・不正な場合にはフォールバック値を返したい。 -`as_tool` メソッドの `custom_output_extractor` 引数に関数を渡すことで実現できます。 +これを行うには、`as_tool` メソッドに `custom_output_extractor` 引数を渡します。 ```python async def extract_json_payload(run_result: RunResult) -> str: @@ -315,12 +315,12 @@ json_tool = data_agent.as_tool( ) ``` -## function ツールでのエラー処理 +## Function tool 内のエラー処理 -`@function_tool` でツールを作成する際、`failure_error_function` を指定できます。これはツール呼び出しが失敗した場合に LLM へ返すエラーメッセージを生成する関数です。 +`@function_tool` で Function tool を作成する際、`failure_error_function` を渡すことができます。これはツール呼び出しがクラッシュした場合に LLM へエラー応答を提供する関数です。 -- 何も渡さなかった場合、デフォルトの `default_tool_error_function` が実行され、「エラーが発生した」と LLM へ通知します。 -- 独自のエラー関数を渡すと、それが実行され LLM へ送信されます。 -- 明示的に `None` を渡すと、ツール呼び出し時のエラーは再スローされ、呼び出し側で処理できます。たとえばモデルが無効な JSON を生成した場合は `ModelBehaviorError`、ユーザーコードがクラッシュした場合は `UserError` などです。 +- 何も渡さない場合は、デフォルトで `default_tool_error_function` が実行され、LLM にエラーが発生したことを伝えます。 +- 独自のエラー関数を渡した場合は、その関数が実行され、その結果が LLM に送信されます。 +- 明示的に `None` を渡した場合、ツール呼び出しのエラーは再送出されます。これには、モデルが無効な JSON を生成した場合の `ModelBehaviorError` や、コードがクラッシュした場合の `UserError` などが含まれます。 -`FunctionTool` オブジェクトを手動で作成する場合は、`on_invoke_tool` 内でエラーを処理する必要があります。 \ No newline at end of file +`FunctionTool` オブジェクトを手動で作成する場合は、`on_invoke_tool` 関数内でエラー処理を行う必要があります。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/tracing.md b/docs/ja/tracing.md index 5e19f19a2..b328f4899 100644 --- a/docs/ja/tracing.md +++ b/docs/ja/tracing.md @@ -4,52 +4,52 @@ search: --- # トレーシング -Agents SDK にはトレーシング機能が組み込まれており、エージェント実行中に発生する LLM 生成、ツール呼び出し、ハンドオフ、ガードレール、カスタムイベントなどの詳細なイベント記録を収集します。[Traces ダッシュボード](https://platform.openai.com/traces) を使用すると、開発中や本番環境でワークフローをデバッグ、可視化、監視できます。 +Agents SDK にはトレーシングが組み込まれており、エージェントの実行中に発生する LLM 生成、関数ツール呼び出し、ハンドオフ、ガードレール、さらにカスタムイベントまでを含む包括的なイベント履歴を収集します。 [Traces ダッシュボード](https://platform.openai.com/traces) を使用すると、開発中および本番環境でワークフローをデバッグ・可視化・モニタリングできます。 !!!note トレーシングはデフォルトで有効になっています。無効化する方法は 2 つあります。 - 1. 環境変数 `OPENAI_AGENTS_DISABLE_TRACING=1` を設定してグローバルに無効化する - 2. 単一の実行で無効化する場合は [`agents.run.RunConfig.tracing_disabled`][] を `True` に設定する + 1. 環境変数 `OPENAI_AGENTS_DISABLE_TRACING=1` を設定して、グローバルにトレーシングを無効化する + 2. 単一の実行に対しては [`agents.run.RunConfig.tracing_disabled`][] を `True` に設定する -***OpenAI の API を Zero Data Retention (ZDR) ポリシーで利用している組織では、トレーシングは利用できません。*** +***OpenAI の API を使用し、Zero Data Retention (ZDR) ポリシーを採用している組織では、トレーシングは利用できません。*** ## トレースとスパン -- **トレース** は 1 つのワークフローのエンドツーエンド操作を表します。トレースは複数のスパンで構成されます。トレースのプロパティは次のとおりです。 - - `workflow_name`: 論理的なワークフローまたはアプリ名。例: 「Code generation」や「Customer service」 - - `trace_id`: トレースの一意 ID。渡さなかった場合は自動生成されます。形式は `trace_<32_alphanumeric>` である必要があります。 - - `group_id`: オプションのグループ ID。同じ会話からの複数トレースをリンクするために使用します。例としてチャットスレッド ID など。 - - `disabled`: `True` の場合、このトレースは記録されません。 - - `metadata`: トレースに付与するオプションメタデータ。 -- **スパン** は開始時刻と終了時刻を持つ操作を表します。スパンのプロパティは次のとおりです。 - - `started_at` と `ended_at` タイムスタンプ - - 所属するトレースを示す `trace_id` - - 親スパンを指す `parent_id` (存在する場合) - - スパンに関する情報を含む `span_data`。例: `AgentSpanData` はエージェント情報、`GenerationSpanData` は LLM 生成情報など。 +- **トレース** は 1 回のワークフロー全体のエンドツーエンド操作を表します。スパンで構成されます。トレースには次のプロパティがあります。 + - `workflow_name`: 論理的なワークフローまたはアプリ名。例: 「Code generation」や「Customer service」。 + - `trace_id`: トレースの一意 ID。指定しない場合は自動生成されます。形式は `trace_<32_alphanumeric>` である必要があります。 + - `group_id`: 省略可能なグループ ID。同一会話からの複数トレースをリンクするために使用します。たとえばチャットスレッド ID を使用できます。 + - `disabled`: `True` の場合、このトレースは記録されません。 + - `metadata`: 省略可能なメタデータ。 +- **スパン** は開始時刻と終了時刻を持つ操作を表します。スパンには次のものがあります。 + - `started_at` と `ended_at` のタイムスタンプ + - 属するトレースを示す `trace_id` + - 親スパンを指す `parent_id` (存在する場合) + - スパンに関する情報を保持する `span_data`。たとえば `AgentSpanData` はエージェント情報、`GenerationSpanData` は LLM 生成情報などを含みます。 ## デフォルトのトレーシング -デフォルトでは、SDK は次をトレースします。 +デフォルトで SDK は以下をトレースします。 -- `Runner.{run, run_sync, run_streamed}()` 全体を `trace()` でラップ -- エージェントが実行されるたびに `agent_span()` でラップ -- LLM 生成を `generation_span()` でラップ -- 関数ツール呼び出しをそれぞれ `function_span()` でラップ -- ガードレールを `guardrail_span()` でラップ -- ハンドオフを `handoff_span()` でラップ -- 音声入力 (speech-to-text) を `transcription_span()` でラップ -- 音声出力 (text-to-speech) を `speech_span()` でラップ -- 関連する音声スパンは `speech_group_span()` の下にネストされることがあります +- `Runner.{run, run_sync, run_streamed}()` 全体を `trace()` でラップ +- エージェントが実行されるたびに `agent_span()` でラップ +- LLM 生成を `generation_span()` でラップ +- 関数ツール呼び出しをそれぞれ `function_span()` でラップ +- ガードレールを `guardrail_span()` でラップ +- ハンドオフを `handoff_span()` でラップ +- 音声入力 (speech-to-text) を `transcription_span()` でラップ +- 音声出力 (text-to-speech) を `speech_span()` でラップ +- 関連する音声スパンは `speech_group_span()` の下に配置される場合があります -デフォルトではトレース名は「Agent trace」です。`trace` を使用して名前を設定するか、[`RunConfig`][agents.run.RunConfig] で名前やその他のプロパティを設定できます。 +デフォルトでは、トレース名は「Agent workflow」です。`trace` を使用してこの名前を設定するか、[`RunConfig`][agents.run.RunConfig] で名前やその他プロパティを構成できます。 -さらに、[カスタムトレースプロセッサ](#custom-tracing-processors) を設定して、トレースを別の送信先にプッシュすることもできます (置き換えまたは追加送信先として)。 +さらに、[カスタムトレーシングプロセッサー](#custom-tracing-processors) を設定して、トレースを他の送信先へ送ることもできます (置き換え、または追加送信)。 ## 上位レベルのトレース -複数回の `run()` 呼び出しを 1 つのトレースにまとめたい場合があります。これを行うには、コード全体を `trace()` でラップします。 +複数回の `run()` 呼び出しを 1 つのトレースにまとめたい場合があります。その場合は、コード全体を `trace()` でラップしてください。 ```python from agents import Agent, Runner, trace @@ -64,60 +64,62 @@ async def main(): print(f"Rating: {second_result.final_output}") ``` -1. `Runner.run` への 2 回の呼び出しが `with trace()` 内にラップされているため、個々の実行は 2 つのトレースを作成せず、全体トレースの一部になります。 +1. `Runner.run` への 2 回の呼び出しが `with trace()` でラップされているため、個別トレースは作成されず、全体で 1 つのトレースになります。 ## トレースの作成 -[`trace()`][agents.tracing.trace] 関数を使用してトレースを作成できます。トレースは開始と終了が必要です。方法は 2 つあります。 +[`trace()`][agents.tracing.trace] 関数でトレースを作成できます。トレースには開始と終了が必要で、方法は 2 つあります。 -1. **推奨**: コンテキストマネージャとして使用する (例: `with trace(...) as my_trace`)。これにより開始と終了が自動化されます。 -2. [`trace.start()`][agents.tracing.Trace.start] と [`trace.finish()`][agents.tracing.Trace.finish] を手動で呼び出すことも可能です。 +1. **推奨**: `with trace(...) as my_trace` のように context manager として使用する。開始と終了が自動で行われます。 +2. [`trace.start()`][agents.tracing.Trace.start] と [`trace.finish()`][agents.tracing.Trace.finish] を手動で呼び出す。 -現在のトレースは Python の [`contextvar`](https://docs.python.org/3/library/contextvars.html) で管理されます。これにより並行処理でも自動的に機能します。トレースを手動で開始/終了する場合は、`start()`/`finish()` に `mark_as_current` と `reset_current` を渡して現在のトレースを更新してください。 +現在のトレースは Python の [`contextvar`](https://docs.python.org/3/library/contextvars.html) で管理されるため、並行処理でも自動的に機能します。トレースを手動で開始・終了する場合は、`start()`/`finish()` に `mark_as_current` と `reset_current` を渡して現在のトレースを更新する必要があります。 ## スパンの作成 -各種 [`*_span()`][agents.tracing.create] メソッドを使ってスパンを作成できます。通常は手動でスパンを作成する必要はありません。カスタムスパン情報を追跡するための [`custom_span()`][agents.tracing.custom_span] も用意されています。 +さまざまな [`*_span()`][agents.tracing.create] メソッドでスパンを作成できますが、通常は手動で作成する必要はありません。カスタムスパン情報を追跡するには [`custom_span()`][agents.tracing.custom_span] を利用できます。 -スパンは自動的に現在のトレースに含まれ、最も近い現在のスパンの下にネストされます。これも Python の [`contextvar`](https://docs.python.org/3/library/contextvars.html) で管理されます。 +スパンは自動的に現在のトレースに含まれ、最も近い現在のスパンの下にネストされます。これも Python の [`contextvar`](https://docs.python.org/3/library/contextvars.html) で追跡しています。 -## 機微なデータ +## 機密データ -一部のスパンは機微なデータを含む可能性があります。 +一部のスパンは機密データを含む可能性があります。 -`generation_span()` は LLM 生成の入出力を、`function_span()` は関数呼び出しの入出力を保存します。これらに機微なデータが含まれる場合があるため、[`RunConfig.trace_include_sensitive_data`][agents.run.RunConfig.trace_include_sensitive_data] でデータの取得を無効化できます。 +`generation_span()` は LLM の入力/出力を、`function_span()` は関数呼び出しの入力/出力を保存します。これらが機密情報を含む場合は、[`RunConfig.trace_include_sensitive_data`][agents.run.RunConfig.trace_include_sensitive_data] で記録を無効化できます。 -同様に、オーディオスパンはデフォルトで入力・出力オーディオの base64 エンコード PCM データを含みます。[`VoicePipelineConfig.trace_include_sensitive_audio_data`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.trace_include_sensitive_audio_data] を設定することで、このオーディオデータの取得を無効化できます。 +同様に、オーディオスパンはデフォルトで base64 エンコードされた PCM データ (入力・出力音声) を含みます。音声データの記録を無効化するには、[`VoicePipelineConfig.trace_include_sensitive_audio_data`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.trace_include_sensitive_audio_data] を設定してください。 -## カスタムトレーシングプロセッサ +## カスタムトレーシングプロセッサー トレーシングの高レベルアーキテクチャは次のとおりです。 -- 初期化時にグローバルな [`TraceProvider`][agents.tracing.setup.TraceProvider] を作成し、トレースの生成を担当します。 -- `TraceProvider` を [`BatchTraceProcessor`][agents.tracing.processors.BatchTraceProcessor] で構成し、スパンとトレースをバッチで [`BackendSpanExporter`][agents.tracing.processors.BackendSpanExporter] に送信し、OpenAI バックエンドへエクスポートします。 - -デフォルト設定をカスタマイズして別のバックエンドへ送信したり、エクスポーター動作を変更したりする場合は、次の 2 つの方法があります。 - -1. [`add_trace_processor()`][agents.tracing.add_trace_processor] で **追加の** トレースプロセッサを登録し、トレース/スパンを受け取って独自処理を行いつつ OpenAI バックエンドにも送信する -2. [`set_trace_processors()`][agents.tracing.set_trace_processors] でデフォルトプロセッサを **置き換え**、独自のプロセッサのみを使用する (OpenAI バックエンドへ送信したい場合は、その機能を持つ `TracingProcessor` を含める必要があります) - -## 外部トレーシングプロセッサ一覧 - -- [Weights & Biases](https://weave-docs.wandb.ai/guides/integrations/openai_agents) -- [Arize-Phoenix](https://docs.arize.com/phoenix/tracing/integrations-tracing/openai-agents-sdk) -- [Future AGI](https://docs.futureagi.com/future-agi/products/observability/auto-instrumentation/openai_agents) -- [MLflow (self-hosted/OSS)](https://mlflow.org/docs/latest/tracing/integrations/openai-agent) -- [MLflow (Databricks hosted)](https://docs.databricks.com/aws/en/mlflow/mlflow-tracing#-automatic-tracing) -- [Braintrust](https://braintrust.dev/docs/guides/traces/integrations#openai-agents-sdk) -- [Pydantic Logfire](https://logfire.pydantic.dev/docs/integrations/llms/openai/#openai-agents) -- [AgentOps](https://docs.agentops.ai/v1/integrations/agentssdk) -- [Scorecard](https://docs.scorecard.io/docs/documentation/features/tracing#openai-agents-sdk-integration) -- [Keywords AI](https://docs.keywordsai.co/integration/development-frameworks/openai-agent) -- [LangSmith](https://docs.smith.langchain.com/observability/how_to_guides/trace_with_openai_agents_sdk) -- [Maxim AI](https://www.getmaxim.ai/docs/observe/integrations/openai-agents-sdk) -- [Comet Opik](https://www.comet.com/docs/opik/tracing/integrations/openai_agents) -- [Langfuse](https://langfuse.com/docs/integrations/openaiagentssdk/openai-agents) -- [Langtrace](https://docs.langtrace.ai/supported-integrations/llm-frameworks/openai-agents-sdk) -- [Okahu-Monocle](https://github.com/monocle2ai/monocle) -- [Galileo](https://v2docs.galileo.ai/integrations/openai-agent-integration#openai-agent-integration) -- [Portkey AI](https://portkey.ai/docs/integrations/agents/openai-agents) \ No newline at end of file +- 初期化時にグローバルな [`TraceProvider`][agents.tracing.setup.TraceProvider] を作成し、トレースの生成を担当させます。 +- `TraceProvider` に [`BatchTraceProcessor`][agents.tracing.processors.BatchTraceProcessor] を設定し、バッチ単位でスパンとトレースを [`BackendSpanExporter`][agents.tracing.processors.BackendSpanExporter] に送信します。このエクスポーターが OpenAI バックエンドへバッチ送信します。 + +デフォルト設定をカスタマイズして、別のバックエンドへ送信したり、エクスポーターの動作を変更したりするには、次の 2 通りがあります。 + +1. [`add_trace_processor()`][agents.tracing.add_trace_processor] + 追加のトレースプロセッサーを登録し、トレース/スパンが準備完了した時点で受け取ります。OpenAI バックエンドへ送信しつつ独自処理を実行する場合に使用します。 +2. [`set_trace_processors()`][agents.tracing.set_trace_processors] + デフォルトのプロセッサーを **置き換え** ます。OpenAI バックエンドへトレースが送信されなくなるので、必要に応じて送信用の `TracingProcessor` を含めてください。 + +## 外部トレーシングプロセッサー一覧 + +- [Weights & Biases](https://weave-docs.wandb.ai/guides/integrations/openai_agents) +- [Arize-Phoenix](https://docs.arize.com/phoenix/tracing/integrations-tracing/openai-agents-sdk) +- [Future AGI](https://docs.futureagi.com/future-agi/products/observability/auto-instrumentation/openai_agents) +- [MLflow (self-hosted/OSS](https://mlflow.org/docs/latest/tracing/integrations/openai-agent) +- [MLflow (Databricks hosted](https://docs.databricks.com/aws/en/mlflow/mlflow-tracing#-automatic-tracing) +- [Braintrust](https://braintrust.dev/docs/guides/traces/integrations#openai-agents-sdk) +- [Pydantic Logfire](https://logfire.pydantic.dev/docs/integrations/llms/openai/#openai-agents) +- [AgentOps](https://docs.agentops.ai/v1/integrations/agentssdk) +- [Scorecard](https://docs.scorecard.io/docs/documentation/features/tracing#openai-agents-sdk-integration) +- [Keywords AI](https://docs.keywordsai.co/integration/development-frameworks/openai-agent) +- [LangSmith](https://docs.smith.langchain.com/observability/how_to_guides/trace_with_openai_agents_sdk) +- [Maxim AI](https://www.getmaxim.ai/docs/observe/integrations/openai-agents-sdk) +- [Comet Opik](https://www.comet.com/docs/opik/tracing/integrations/openai_agents) +- [Langfuse](https://langfuse.com/docs/integrations/openaiagentssdk/openai-agents) +- [Langtrace](https://docs.langtrace.ai/supported-integrations/llm-frameworks/openai-agents-sdk) +- [Okahu-Monocle](https://github.com/monocle2ai/monocle) +- [Galileo](https://v2docs.galileo.ai/integrations/openai-agent-integration#openai-agent-integration) +- [Portkey AI](https://portkey.ai/docs/integrations/agents/openai-agents) \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/visualization.md b/docs/ja/visualization.md index fdbd268dd..4b6311e9d 100644 --- a/docs/ja/visualization.md +++ b/docs/ja/visualization.md @@ -4,11 +4,11 @@ search: --- # エージェント可視化 -エージェント可視化を使用すると、 ** Graphviz ** を使ってエージェントとその関係を構造的なグラフィカル表現として生成できます。これは、アプリケーション内でエージェント、ツール、ハンドオフがどのように相互作用するかを理解するのに役立ちます。 +エージェント可視化を使用すると、 **Graphviz** を用いてエージェントとその関係を構造的なグラフィカル表現として生成できます。これにより、アプリケーション内でエージェント、ツール、ハンドオフがどのように相互作用するかを理解しやすくなります。 ## インストール -オプションの `viz` 依存関係グループをインストールします: +オプションの `viz` 依存グループをインストールします: ```bash pip install "openai-agents[viz]" @@ -16,11 +16,11 @@ pip install "openai-agents[viz]" ## グラフの生成 -`draw_graph` 関数を使用してエージェントの可視化を生成できます。この関数は有向グラフを作成し、次のように表現します: +`draw_graph` 関数を使用してエージェントの可視化を生成できます。この関数は次のような有向グラフを作成します: -- ** エージェント ** は黄色のボックスで表示されます。 -- ** ツール ** は緑色の楕円で表示されます。 -- ** ハンドオフ ** は一方のエージェントから別のエージェントへの有向エッジで示されます。 +- エージェントは黄色のボックスで表されます。 +- ツールは緑色の楕円で表されます。 +- ハンドオフはエージェント間の有向エッジとして表されます。 ### 使用例 @@ -52,34 +52,33 @@ triage_agent = Agent( draw_graph(triage_agent) ``` -![エージェントグラフ](../assets/images/graph.png) - -これにより、 ** triage agent ** の構造とサブエージェントおよびツールへの接続を視覚的に表現したグラフが生成されます。 +![Agent Graph](../assets/images/graph.png) +これにより、 **triage agent** の構造とサブエージェントおよびツールへの接続を視覚的に示すグラフが生成されます。 ## 可視化の理解 生成されたグラフには次の要素が含まれます: -- エントリーポイントを示す ** start ノード ** ( `__start__` ) -- 黄色で塗りつぶされた ** 四角形 ** で示されるエージェント -- 緑色で塗りつぶされた ** 楕円 ** で示されるツール -- 相互作用を示す有向エッジ - - エージェント間のハンドオフには ** 実線矢印 ** - - ツール呼び出しには ** 破線矢印 ** -- 実行終了地点を示す ** end ノード ** ( `__end__` ) +- エントリーポイントを示す **start node** ( `__start__` )。 +- エージェントは黄色で塗りつぶされた長方形として表示されます。 +- ツールは緑色で塗りつぶされた楕円として表示されます。 +- 相互作用を示す有向エッジ: + - **Solid arrows** はエージェント間のハンドオフを示します。 + - **Dotted arrows** はツール呼び出しを示します。 +- 実行が終了する位置を示す **end node** ( `__end__` )。 ## グラフのカスタマイズ ### グラフの表示 -デフォルトでは、`draw_graph` はグラフをインラインで表示します。別ウィンドウで表示するには、次のように記述します: +デフォルトでは、 `draw_graph` はグラフをインラインで表示します。別ウィンドウで表示するには、次のようにします: ```python draw_graph(triage_agent).view() ``` ### グラフの保存 -デフォルトでは、`draw_graph` はグラフをインラインで表示します。ファイルとして保存するには、ファイル名を指定します: +デフォルトでは、 `draw_graph` はグラフをインラインで表示します。ファイルとして保存するには、ファイル名を指定します: ```python draw_graph(triage_agent, filename="agent_graph") diff --git a/docs/ja/voice/pipeline.md b/docs/ja/voice/pipeline.md index 7cb9374e3..99c7ce065 100644 --- a/docs/ja/voice/pipeline.md +++ b/docs/ja/voice/pipeline.md @@ -4,7 +4,7 @@ search: --- # パイプラインとワークフロー -` VoicePipeline ` クラスは、エージェントワークフローを音声アプリに簡単に組み込めます。ワークフローを渡すと、入力音声の文字起こし、音声終了の検出、適切なタイミングでのワークフロー呼び出し、そしてワークフロー出力を音声へ変換する処理をパイプラインが自動で行います。 +[`VoicePipeline`][agents.voice.pipeline.VoicePipeline] は、エージェント型ワークフローを音声アプリへ簡単に変換できるクラスです。実行したいワークフローを渡すだけで、入力音声の書き起こし、音声終了の検出、適切なタイミングでのワークフロー呼び出し、そしてワークフロー出力を再び音声へ変換する処理をパイプラインが自動で行います。 ```mermaid graph LR @@ -34,37 +34,34 @@ graph LR ## パイプラインの設定 -パイプラインを作成するときに、次の項目を設定できます。 +パイプラインを作成する際に設定できる項目は次のとおりです。 1. [`workflow`][agents.voice.workflow.VoiceWorkflowBase] - 新しい音声が文字起こしされるたびに実行されるコードです。 + 新しい音声が書き起こされるたびに実行されるコードです。 2. [`speech-to-text`][agents.voice.model.STTModel] と [`text-to-speech`][agents.voice.model.TTSModel] - 使用するモデルです。 + 使用する STT/TTS モデルです。 3. [`config`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig] - 以下のような設定が行えます。 - - モデルプロバイダー: モデル名をモデルにマッピングします。 - - トレーシング: トレーシングを無効化するか、音声ファイルをアップロードするか、ワークフロー名やトレース ID などを指定できます。 - - TTS と STT モデルの設定: プロンプト、言語、データ型などを指定します。 + 以下のような設定を行えます。 + - モデルプロバイダー : モデル名をモデルにマッピングします + - トレーシング : トレーシングの有効/無効、音声ファイルのアップロード可否、ワークフロー名、トレース ID など + - TTS と STT モデルの設定 : プロンプト、言語、使用するデータ型 など ## パイプラインの実行 -パイプラインは [`run()`][agents.voice.pipeline.VoicePipeline.run] メソッドで実行します。音声入力は次の 2 つの形式で渡せます。 +[`run()`][agents.voice.pipeline.VoicePipeline.run] メソッドでパイプラインを実行できます。音声入力は 2 つの形式で渡せます。 1. [`AudioInput`][agents.voice.input.AudioInput] - 音声の全文文字起こしが既にあり、その結果だけを取得したい場合に使用します。事前録音された音声や、プッシュトゥトーク方式でユーザーが話し終えたタイミングが明確な場合などに便利です。 + 完全な音声トランスクリプトがある場合に使用し、その内容に対する結果だけを生成します。発話終了検出が不要な、事前録音音声やプッシュトゥトーク アプリなどで便利です。 2. [`StreamedAudioInput`][agents.voice.input.StreamedAudioInput] - ユーザーが話し終えたかどうかを検出する必要がある場合に使用します。音声チャンクを検出ごとにプッシュでき、パイプラインが「アクティビティ検出」により適切なタイミングでエージェントワークフローを自動実行します。 + 発話終了を検出する必要がある場合に使用します。検出された音声チャンクを順次プッシュでき、パイプラインが「アクティビティ検出」と呼ばれるプロセスを通じて適切なタイミングでエージェント ワークフローを自動実行します。 -## 結果 +## 実行結果 -音声パイプライン実行の結果は [`StreamedAudioResult`][agents.voice.result.StreamedAudioResult] です。このオブジェクトを通じてイベントをストリーム形式で受け取れます。イベントの種類は [`VoiceStreamEvent`][agents.voice.events.VoiceStreamEvent] がいくつかあります。 +音声パイプライン実行の結果は [`StreamedAudioResult`][agents.voice.result.StreamedAudioResult] です。これは、発生するイベントをストリーミングできるオブジェクトで、いくつかの [`VoiceStreamEvent`][agents.voice.events.VoiceStreamEvent] を含みます。 -1. [`VoiceStreamEventAudio`][agents.voice.events.VoiceStreamEventAudio] - 音声チャンクを含みます。 -2. [`VoiceStreamEventLifecycle`][agents.voice.events.VoiceStreamEventLifecycle] - ターンの開始・終了などライフサイクルイベントを通知します。 -3. [`VoiceStreamEventError`][agents.voice.events.VoiceStreamEventError] - エラーイベントです。 +1. [`VoiceStreamEventAudio`][agents.voice.events.VoiceStreamEventAudio] : 音声チャンクを含みます。 +2. [`VoiceStreamEventLifecycle`][agents.voice.events.VoiceStreamEventLifecycle] : ターンの開始/終了などライフサイクルイベントを通知します。 +3. [`VoiceStreamEventError`][agents.voice.events.VoiceStreamEventError] : エラーイベントです。 ```python @@ -84,4 +81,5 @@ async for event in result.stream(): ### 割り込み -Agents SDK には現在、` StreamedAudioInput ` に対する組み込みの割り込みサポートはありません。検出された各ターンごとにワークフローが個別に実行されます。アプリケーション内で割り込みを処理したい場合は、` VoiceStreamEventLifecycle ` イベントを監視してください。` turn_started ` は新しいターンが文字起こしされ、処理が開始されたことを示します。` turn_ended ` は該当ターンの音声がすべて送信された後に発火します。モデルがターンを開始したときにマイクをミュートし、関連する音声をすべて送信し終えた後にマイクをアンミュートする、といった制御にこれらのイベントを利用できます。 \ No newline at end of file +Agents SDK には [`StreamedAudioInput`][agents.voice.input.StreamedAudioInput] 用のビルトイン割り込みサポートは現在ありません。そのため、検出された各ターンごとにワークフローが個別に実行されます。アプリケーション内で割り込みを扱いたい場合は、[`VoiceStreamEventLifecycle`][agents.voice.events.VoiceStreamEventLifecycle] を監視してください。 +`turn_started` は新しいターンが書き起こされ処理が始まったことを示し、`turn_ended` は該当ターンの音声がすべて送信された後に発火します。これらのイベントを用いて、モデルがターンを開始した際に話者のマイクをミュートし、ターンに関連する音声をすべて送信し終えた後でアンミュートする、といった実装が可能です。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/voice/quickstart.md b/docs/ja/voice/quickstart.md index c24b92b40..50509896e 100644 --- a/docs/ja/voice/quickstart.md +++ b/docs/ja/voice/quickstart.md @@ -4,21 +4,21 @@ search: --- # クイックスタート -## 前提条件 +## 必要条件 -まず、 Agents SDK の基本クイックスタート手順に従い、仮想環境をセットアップしてください。その後、SDK から音声用のオプション依存関係をインストールします: +まず、 base [クイックスタート手順](../quickstart.md) に従って Agents SDK をセットアップし、仮想環境を作成してください。次に、 SDK からオプションの音声依存関係をインストールします: ```bash pip install 'openai-agents[voice]' ``` -## 基本概念 +## コンセプト -押さえておくべき主な概念は [`VoicePipeline`][agents.voice.pipeline.VoicePipeline] で、次の 3 ステップから成るプロセスです: +知っておくべき主な概念は [`VoicePipeline`][agents.voice.pipeline.VoicePipeline] で、これは 3 つのステップで構成されます: -1. 音声をテキストに変換する speech-to-text モデルを実行します。 -2. 通常はエージェント的ワークフローであるあなたのコードを実行し、結果を生成します。 -3. 結果のテキストを音声に戻す text-to-speech モデルを実行します。 +1. 音声をテキストに変換する speech-to-text モデルを実行する +2. 通常はエージェント的なワークフローであるあなたのコードを実行して、実行結果を生成する +3. 生成されたテキストを音声に戻す text-to-speech モデルを実行する ```mermaid graph LR @@ -48,7 +48,7 @@ graph LR ## エージェント -まず、いくつかのエージェントをセットアップしましょう。すでにこの SDK でエージェントを構築したことがあれば、馴染みがあるはずです。ここでは複数のエージェント、ハンドオフ、ツールを用意します。 +まずはエージェントをいくつか設定します。すでにこの SDK でエージェントを作ったことがある場合は、見覚えのある内容でしょう。ここでは 2 つのエージェント、1 つのハンドオフ、そして 1 つのツールを用意します。 ```python import asyncio @@ -92,7 +92,7 @@ agent = Agent( ## 音声パイプライン -[`SingleAgentVoiceWorkflow`][agents.voice.workflow.SingleAgentVoiceWorkflow] をワークフローとして使用し、シンプルな音声パイプラインをセットアップします。 +ワークフローとして [`SingleAgentVoiceWorkflow`][agents.voice.workflow.SingleAgentVoiceWorkflow] を使用し、シンプルな音声パイプラインを構築します。 ```python from agents.voice import SingleAgentVoiceWorkflow, VoicePipeline @@ -124,7 +124,7 @@ async for event in result.stream(): ``` -## 統合例 +## まとめ ```python import asyncio @@ -195,4 +195,4 @@ if __name__ == "__main__": asyncio.run(main()) ``` -このサンプルを実行すると、エージェントがあなたに話しかけてくれます。実際に自分でエージェントと会話できるデモは、[examples/voice/static](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/voice/static) の例をご覧ください。 \ No newline at end of file +この例を実行すると、エージェントがあなたに話しかけてきます。自分でエージェントと会話できるデモについては、[examples/voice/static](https://github.com/openai/openai-agents-python/tree/main/examples/voice/static) のコード例をご覧ください。 \ No newline at end of file diff --git a/docs/ja/voice/tracing.md b/docs/ja/voice/tracing.md index e8dbda2a9..19dcdc537 100644 --- a/docs/ja/voice/tracing.md +++ b/docs/ja/voice/tracing.md @@ -6,13 +6,13 @@ search: [エージェントがトレーシングされる方法](../tracing.md) と同様に、音声パイプラインも自動的にトレーシングされます。 -トレーシングの基本情報については上記のドキュメントをご覧ください。また、 `VoicePipelineConfig` を使用してパイプラインのトレーシングを追加で設定できます。 +基本的なトレーシング情報については上記のドキュメントをご覧ください。また、パイプラインのトレーシングは [`VoicePipelineConfig`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig] を通じて追加設定できます。 -主なトレーシング関連フィールドは次のとおりです。 +トレーシングに関連する主なフィールドは次のとおりです: -- [`tracing_disabled`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.tracing_disabled]: トレーシングを無効にするかどうかを制御します。デフォルトではトレーシングは有効です。 -- [`trace_include_sensitive_data`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.trace_include_sensitive_data]: 音声の書き起こしなど、機微情報をトレースに含めるかどうかを制御します。これは音声パイプライン専用であり、 Workflow 内の処理には影響しません。 -- [`trace_include_sensitive_audio_data`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.trace_include_sensitive_audio_data]: トレースに音声データを含めるかどうかを制御します。 -- [`workflow_name`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.workflow_name]: トレースワークフローの名前です。 -- [`group_id`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.group_id]: 複数のトレースを関連付けるための `group_id` です。 -- [`trace_metadata`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.tracing_disabled]: トレースに追加するメタデータです。 \ No newline at end of file +- [`tracing_disabled`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.tracing_disabled]: トレーシングを無効にするかどうかを制御します。デフォルトではトレーシングは有効です。 +- [`trace_include_sensitive_data`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.trace_include_sensitive_data]: トレースに音声の書き起こしなどの機微情報を含めるかどうかを制御します。これは音声パイプラインに特有で、 Workflow 内で行われる処理には影響しません。 +- [`trace_include_sensitive_audio_data`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.trace_include_sensitive_audio_data]: トレースに音声データを含めるかどうかを制御します。 +- [`workflow_name`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.workflow_name]: トレース Workflow の名前です。 +- [`group_id`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.group_id]: 複数のトレースを関連付けるための `group_id` です。 +- [`trace_metadata`][agents.voice.pipeline_config.VoicePipelineConfig.tracing_disabled]: トレースに含める追加のメタデータです。 \ No newline at end of file