Deprecate enum-like property access mechanism in AbstractMasterEntity

[nanasess]

概要

AbstractMasterEntityのenum風プロパティアクセス機能を非推奨化します。

背景

PR #2437 で実装されたenum風プロパティアクセス機構について、以下の理由から非推奨とします：

1. PHP 8.2以降の言語機能

   • PHP 8.2よりtraitでクラス定数を直接定義可能になった
   • マジックメソッドに依存する必要がなくなった

2. Doctrine ORM 3.xとの互換性問題

   • Doctrine ORM 3.xのLazy Ghost Objects機能との競合（Issue [Symfony7対応] Doctrin ORM3から暗黙的に__setが呼ばれるようになった #6469）
   • __set()メソッドが無条件に例外をスローすることで、エンティティの初期化が失敗

3. 実際の使用状況

   • コアシステムでの使用例が見つからない
   • プラグインでの使用も確認されず

変更内容

1. __set() メソッド

• 変更前: 無条件にInvalidArgumentExceptionをスロー
• 変更後: Doctrine ORM 3.xのプロパティ初期化を許可（コメントのみ）

2. getConstantValue() メソッド

• 呼び出し時にE_USER_DEPRECATED警告を発生
• PHP 8.2+のtrait定数機能への移行を促すメッセージを表示

@trigger_error(
    sprintf(
        'The enum-like property access mechanism is deprecated. Use PHP 8.2+ trait constants instead: trait MyTrait { public const %s = value; }',
        $name
    ),
    E_USER_DEPRECATED
);

移行ガイド

旧実装（非推奨）

trait CustomerStatusTrait {
    private static $LEAVE = 3;
}

class CustomerStatus extends AbstractMasterEntity {
    use CustomerStatusTrait;
}

echo CustomerStatus::LEAVE();  // __callStatic()経由

新実装（PHP 8.2+推奨）

trait CustomerStatusTrait {
    public const LEAVE = 3;
}

class CustomerStatus extends AbstractMasterEntity {
    use CustomerStatusTrait;
}

echo CustomerStatus::LEAVE;  // 直接アクセス

影響範囲

• コアシステム: 影響なし（使用されていない）
• 既存プラグイン: 理論上は影響する可能性があるが、使用例は確認されず
• 後方互換性: 機能は維持されるが、非推奨警告が表示される

関連Issue/PR

• Refs [Symfony7対応] Doctrin ORM3から暗黙的に__setが呼ばれるようになった #6469 - Doctrine ORM 3から暗黙的に__setが呼ばれる問題
• Refs Trait でクラス定数(っぽいもの)を追加する仕組み #2437 - Traitでクラス定数(っぽいもの)を追加する仕組み（2017年実装）

テスト

既存のテストは引き続き動作しますが、E_USER_DEPRECATED警告が発生します。

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