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2025年以降に本書をご購入された方へ

(最終更新日:2025年02月10日)

本書に掲載されているMaSK(P.21)というソフトウエアが現在ダウンロードできない状況にあります。本書で学習する上で、MaSKの使用は必須ではございません。他の方法で代替可能です。

そこで、本書でMaSKを使用して説明している箇所を他のソフトウエア(MoCalc2012)で操作する方法について具体的にこのページで補足させていただきます。MaSKの制作者様がロシア在住ということで昨今のウクライナ情勢で心配しておりましたが、現在も連絡が取らない状況です。このことから、MaSKの入手サイトの復旧は難しいと思われますので、MoCalc2012の使用を主体に本書で学習していただくことを推奨します。

MaSKはFirefly専用でGAMESS(US)をサポートしていないので、GAMESS(US)でも使用できるMoCalc2012の使用をスタンダードにしておくと、FireflyとGAMESS(US)どちらでも切り替えて使用できます。

その他、よくある質問をFAQに掲載していますので、本書と共にご活用ください。

P.83: 熱力学的諸量の抽出

MaSKで熱力学的諸量を表示させる機能があります。P.135,192 などでも使用していますが、この機能よりさらに便利に出力ファイルの情報を抽出できるソフトウエアを著者HPで公開しております。以下のURLより入手できますので、是非ご活用ください。

GAMARSS – Data Extraction Software – | ダウンロード

P.113: フロンティア軌道の可視化(SOMO)

MoCalc2012で計算が終了した状態、または、Outputファイルを読み込んだ状態から解説します。ここでは、「SampleData/Chapter08/HF_6-31G(d)/Propylene_Rad.out」を使用します。

1)MoCalc2012のメイン画面から[Orbitals Surfaces]ボタンをクリックします。

2)サブウインドウが表示されるので[Structure, Orbitals]をクリックします。

ブラウザ(JSmol)で構造が表示されます。右クリックメニューから[面>分子軌道>#20 alphaA-0.3331]を選択します。

SOMOが可視化された様子は下図の通りです。

3)電子に占有されている最もエネルギーの高い分子軌道(SOMO)の準位は、Outputファイルを開き「NUMBER OF OCCUPIED ORBITALS (ALPHA)」を検索すると見つかります。ここで、12番目の軌道がSOMOであることが分かります。
P115に記載されてる方法で、12番目の軌道に関する情報を参照すると、軌道のエネルギーが-0.3331Hartreesであることが分かります。先ほど右クリックメニューから選択した[面>分子軌道>#20 alphaA-0.3331]の[-0.3331]は、このエネルギー値のことを表します。
JSmolの右クリックメニュー[面>分子軌道>#番号]で表示される番号(ここでは#20)は、Outputファイルに記載されているSOMOの軌道番号と一致しないので注意しましょう。これは、JSmolの仕様上の問題です。 [面>分子軌道>]の#1~8を確認するとわかるようにNaN(非数)と必要ない箇所も読み込まれるのが原因です。つまり#20から必要ない#8の数字を引いた数字12がSOMOの軌道番号と一致する事が分かります。

P.118: Mulliken電荷の表示

MoCalc2012で計算が終了した状態、または、Outputファイルを読み込んだ状態から解説します。ここでは、「SampleData/Chapter03/Firefly/H2O.out」を使用します。

1)MoCalc2012のメイン画面から[Orbitals Surfaces]ボタンをクリックします。

2)サブウインドウが表示されるので[Charges, Dipolemoment]をクリックします。

ブラウザ(JSmol)で構造が表示されます。Mulliken電荷が表示された様子は下図の通りです。下部のボタンでLowdin電荷に切替えることも可能です。

なお、P.124の双極子モーメントのベクトルを表示するには、下部の[Dipolemoment]ボタンをクリックします。

P.121: 静電ポテンシャルマップの表示

MoCalc2012で計算が終了した状態、または、Outputファイルを読み込んだ状態から解説します。ここでは、「SampleData/Chapter06/HF_6-31G(d)/Acetophenon.out」を使用します。

1)MoCalc2012のメイン画面から[Orbitals Surfaces]ボタンをクリックします。

2)サブウインドウが表示されるので[Electrostatic Potential]をクリックします。

ブラウザ(JSmol)で構造が表示されます。静電ポテンシャルマップが表示された様子は下図の通りです。

P.130: 水素結合の距離の計測

MoCalc2012で計算が終了した状態、または、Outputファイルを読み込んだ状態から解説します。ここでは、「SampleData/Chapter10/Dimer.out」を使用します。

1)MoCalc2012のメイン画面から[Orbitals Surfaces]ボタンをクリックします。

2)サブウインドウが表示されるので[Structure, Orbitals]をクリックします。

ブラウザ(JSmol)で構造が表示されます。右クリックメニューから[計測>クリックして距離を計測]を選択します。

次に水素結合が形成される酸素原子と水素原子をクリックしてください。実際に原子間距離が表示された様子は下図の通りです。

P.153: 遷移状態の計算結果の可視化

MoCalc2012を使った方法について補足します。MoCalc2012で遷移状態の計算が終了した状態、または、Outputファイルを読み込んだ状態から解説します。ここでは、「SampleData/Chapter12/BromoEthane _TS.out」を使用します。

1)MoCalc2012のメイン画面から[Structure]ボタンをクリックします。

2)ブラウザ(JSmol)で構造が表示されたら、右クリックメニューから[モデル]を選択します。ここでは、-613.87cm^-1の虚振動を持つ構造を表示させます。

3)右クリックメニューから[振動>オン]を選択し、振動モードのアニメーションを確認します。

なお、Outputファイルから虚振動の有無を直接確認するには、「FREQUENCIES IN」を検索します。虚数がある場合は、FREQUENCY:行の数字の横にimaginary numberの頭文字” I “が表示されます。

「FREQUENCIES IN」が複数見つかる場合は、「THE VIBRATIONAL ANALYSIS IS NOT VALID !!!」と書かれている振動解析の結果を使用しないように注意しましょう。これは、最終的に得たい目的の値ではないので、この警告が書かれている振動解析の結果は利用しないでください。

MoCalc2012では、「THE VIBRATIONAL ANALYSIS IS NOT VALID !!!」の振動データも読み込んでしまうので注意が必要です。ブラウザで構造が表示されるJSmolの右クリックメニューにも、これらの振動モードに対応した構造が含まれるので誤って選択しないようにしましょう。